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18世紀にイギリスで[[wikipedia:ja:ヒツジ|ヒツジ]]や[[wikipedia:ja:ヤギ|ヤギ]]の[[スクレイピー]]が記録された。ヒトでは1920年と1921年に[[wikipedia:Hans Gerhard Creutzfeldt|Creutzfeldt]]と[[wikipedia:Alfons Maria Jakob|Jakob]]によってクロイツフェルト・ヤコブ病(Creutzfeldt-Jakob disease: CJD)が報告された。1936 年には、プリオン病であると考えられている[[ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー症候群]](Gerstmann-Straussler-Scheinker syndrome: GSS)が報告された。1947年には[[伝達性ミンク脳症]]の発生が報告された。1957年には、Gajdusekらによって[[wikipedia:ja:パプア・ニューギニア|パプア・ニューギニア]]における[[クール―]]が報告され、1959年にはクール―とCJDとの類似性が指摘されている。1976年、Gajdusekが[[wikipedia:ja:ノーベル生理学・医学賞|ノーベル生理学・医学賞]]を受賞した。1982年、[[wikipedia:ja:スタンリー・B・プルシナー|Prusiner]]がスクレイピー感染脳を用いた実験からproteinaceous infectious particlesの概念を提唱し、この感染性因子をprionと命名した(prion仮説の提唱)<ref name="ref2"><pubmed> 6801762 </pubmed></ref>。1986年、[[ウシ海綿状脳症]](BSE)の発生がイギリスで報告され、1987年には人由来乾燥[[硬膜]]移植による医源性CJDが発生し、1996年にはBSE由来とされる変異型CJD (vCJD)が報告された。1997年にはPrusinerがノーベル医学・生理学賞を受賞した。2003年アメリカにおいてBSEの発生が確認され日本への米国産牛肉の輸入が禁止された。2005年、日本においてvCJDの患者が報告された。 | 18世紀にイギリスで[[wikipedia:ja:ヒツジ|ヒツジ]]や[[wikipedia:ja:ヤギ|ヤギ]]の[[スクレイピー]]が記録された。ヒトでは1920年と1921年に[[wikipedia:Hans Gerhard Creutzfeldt|Creutzfeldt]]と[[wikipedia:Alfons Maria Jakob|Jakob]]によってクロイツフェルト・ヤコブ病(Creutzfeldt-Jakob disease: CJD)が報告された。1936 年には、プリオン病であると考えられている[[ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー症候群]](Gerstmann-Straussler-Scheinker syndrome: GSS)が報告された。1947年には[[伝達性ミンク脳症]]の発生が報告された。1957年には、Gajdusekらによって[[wikipedia:ja:パプア・ニューギニア|パプア・ニューギニア]]における[[クール―]]が報告され、1959年にはクール―とCJDとの類似性が指摘されている。1976年、Gajdusekが[[wikipedia:ja:ノーベル生理学・医学賞|ノーベル生理学・医学賞]]を受賞した。1982年、[[wikipedia:ja:スタンリー・B・プルシナー|Prusiner]]がスクレイピー感染脳を用いた実験からproteinaceous infectious particlesの概念を提唱し、この感染性因子をprionと命名した(prion仮説の提唱)<ref name="ref2"><pubmed> 6801762 </pubmed></ref>。1986年、[[ウシ海綿状脳症]](BSE)の発生がイギリスで報告され、1987年には人由来乾燥[[硬膜]]移植による医源性CJDが発生し、1996年にはBSE由来とされる変異型CJD (vCJD)が報告された。1997年にはPrusinerがノーベル医学・生理学賞を受賞した。2003年アメリカにおいてBSEの発生が確認され日本への米国産牛肉の輸入が禁止された。2005年、日本においてvCJDの患者が報告された。 | ||
==プリオンタンパク質 | ==プリオンタンパク質 == | ||
哺乳類においてプリオンとしてふるまい、狂牛病などのプリオン病の原因となるのはPrPと呼ばれる。PrPは、ヒトでは253個、マウスでは254個のアミノ酸からなるタンパク質であり、そのアミノ酸配列は高度に保存されている<ref name="ref7"><pubmed> 1675487 </pubmed></ref>。 PrPは健康なヒトや動物でも発現しているタンパク質であり、脳、[[wikipedia:ja:心臓|心臓]]、[[wikipedia:ja:肝臓|肝臓]]など多くの組織、臓器において発現が認められているが、特に脳、神経細胞において高い発現をしている。 | 哺乳類においてプリオンとしてふるまい、狂牛病などのプリオン病の原因となるのはPrPと呼ばれる。PrPは、ヒトでは253個、マウスでは254個のアミノ酸からなるタンパク質であり、そのアミノ酸配列は高度に保存されている<ref name="ref7"><pubmed> 1675487 </pubmed></ref>。 PrPは健康なヒトや動物でも発現しているタンパク質であり、脳、[[wikipedia:ja:心臓|心臓]]、[[wikipedia:ja:肝臓|肝臓]]など多くの組織、臓器において発現が認められているが、特に脳、神経細胞において高い発現をしている。 |