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 リソソームの主な機能は、生体高分子の分解と再利用である。エンドサイトーシスの飲作用(ピノサイト―シス)による細胞外成分や細胞膜成分の分解は、[[wikipedia:JA:ターンオーバー (生物)|代謝回転]]、栄養供給などに重要である。[[上皮増殖因子]]([[wikipedia:Epidermal growth factor|EGF]])やその受容体(EGFR)などの分解は、[[シグナル伝達]]を遮断するうえで重要である。エンドサイトーシスの食作用(ファゴサイトーシス)による病原体、異物、[[アポトーシス]]細胞などの分解は、生体防御、[[wikipedia:JA:抗原提示|抗原提示]]、[[wikipedia:JA:自己免疫疾患|自己免疫疾患]]抑制などに重要である。マクロオートファジーによるサイトゾル成分や細胞小器官の分解は、細胞内の代謝回転、品質管理、飢餓時の栄養供給、抗原提示などに重要である。
 リソソームの主な機能は、生体高分子の分解と再利用である。エンドサイトーシスの飲作用(ピノサイト―シス)による細胞外成分や細胞膜成分の分解は、[[wikipedia:JA:ターンオーバー (生物)|代謝回転]]、栄養供給などに重要である。[[上皮増殖因子]]([[wikipedia:Epidermal growth factor|EGF]])やその受容体(EGFR)などの分解は、[[シグナル伝達]]を遮断するうえで重要である。エンドサイトーシスの食作用(ファゴサイトーシス)による病原体、異物、[[アポトーシス]]細胞などの分解は、生体防御、[[wikipedia:JA:抗原提示|抗原提示]]、[[wikipedia:JA:自己免疫疾患|自己免疫疾患]]抑制などに重要である。マクロオートファジーによるサイトゾル成分や細胞小器官の分解は、細胞内の代謝回転、品質管理、飢餓時の栄養供給、抗原提示などに重要である。


 リソソームは細胞内の分解装置としてだけでなく、他にも様々な機能を有している。リソソームの[[エクソサイト―シス]]は、損傷した細胞膜の修復、[[細胞外マトリックス]]の分解などに関与する。またリソソーム膜の透過性亢進と細胞死との関連も報告されている。
 リソソームは細胞内の分解装置としてだけでなく、他にも様々な機能を有している。リソソームの[[エクソサイト―シス]]は、損傷した細胞膜の修復、[[細胞外マトリックス]]の分解などに関与する。またリソソーム膜の透過性亢進(lysosomal membrane permeabilization)と細胞死との関連も報告されている。


 リソソームは細胞内の栄養状態(アミノ酸など)を感知する場としても重要である。mTORC1複合体は細胞内のアミノ酸濃度を感知して、細胞成長・代謝・タンパク質合成などの様々な細胞機能を制御する重要なシグナル因子であるが、その活性化はリソソーム膜上で起こる<ref name="ref8"><pubmed> 20381137 </pubmed></ref>。mTORC1複合体は低栄養条件下では不活性型として細胞質に存在するが、細胞内のアミノ酸濃度が上昇すると、リソソーム膜上の活性型[[wikipedia:RRAGA|Rag]]複合体([[wikipedia:JA:グアノシン三リン酸|GTP]]型RagA/B、[[wikipedia:JA:グアノシン二リン酸|GDP型]]RagC/D)と結合することでリソソームへ移行し、活性化される。Rag複合体はRagulatorと呼ばれるリソソーム膜タンパク質を含む複合体(p14、MP1、p18)を介してリソソーム膜上に恒常的に局在している<ref name="ref8" />。
 リソソームは細胞内の栄養状態(アミノ酸など)を感知する場としても重要である。mTORC1複合体は細胞内のアミノ酸濃度を感知して、細胞成長・代謝・タンパク質合成などの様々な細胞機能を制御する重要なシグナル因子であるが、その活性化はリソソーム膜上で起こる<ref name="ref8"><pubmed> 20381137 </pubmed></ref>。mTORC1複合体は低栄養条件下では不活性型として細胞質に存在するが、細胞内のアミノ酸濃度が上昇すると、リソソーム膜上の活性型[[wikipedia:RRAGA|Rag]]複合体([[wikipedia:JA:グアノシン三リン酸|GTP]]型RagA/B、[[wikipedia:JA:グアノシン二リン酸|GDP型]]RagC/D)と結合することでリソソームへ移行し、活性化される。Rag複合体はRagulatorと呼ばれるリソソーム膜タンパク質を含む複合体(p14、MP1、p18)を介してリソソーム膜上に恒常的に局在している<ref name="ref8" />。
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