「損失回避」の版間の差分

編集の要約なし
(微修正)
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では、以下のような不備が指摘されている。まず、くじの選択問題を2つ考える。(はずれは全て0円)
では、以下のような不備が指摘されている。まず、くじの選択問題を2つ考える。(はずれは全て0円)


*問題1:「80%の確率で40万円」または「確実に30万円」
*問題1:「80%の確率で40万円」または「確実に30万円」
*問題2:「20%の確率で40万円」または「25%の確率で30万円」
*問題2:「20%の確率で40万円」または「25%の確率で30万円」


問題1では多くの人が後者を、問題2では多くの人が前者を選ぶ。問題1ではより確実な選択肢が選ばれ、問題2はリスクが高いくじの中から、結果がより大きいものが選ばれていると考えられる。しかし、問題2は問題1の確率をそれぞれ単に1/4にしたものであり、期待効用理論から言うと問題1と問題2の選択は「どちらも前者」または「どちらも後者」という一貫したものになるはずである。
問題1では多くの人が後者を、問題2では多くの人が前者を選ぶ。問題1ではより確実な選択肢が選ばれ、問題2はリスクが高いくじの中から、結果がより大きいものが選ばれていると考えられる。しかし、問題2は問題1の確率をそれぞれ単に1/4にしたものであり、期待効用理論から言うと問題1と問題2の選択は「どちらも前者」または「どちらも後者」という一貫したものになるはずである。


==プロスペクト理論と損失回避==
==プロスペクト理論と損失回避==
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(執筆者:大竹 文雄、担当編集委員:定藤 規弘) 
(執筆者:大竹文雄 担当編集委員:定藤規弘)