「マイクロフィラメント」の版間の差分

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英語名:microfilament 独:Mikrofilamente 仏:microfilament
英語名:microfilament 独:Mikrofilamente 仏:microfilament


== 要約  ==
 マイクロフィラメント(別名:アクチンフィラメント)は、アクチン蛋白質が重合した細胞骨格であり、細胞の形態制御と運動および膜分子の局在制御などの多彩な生理機能を担う。アクチンフィラメントのATP加水分解活性および各種アクチン結合蛋白質と細胞内シグナル伝達分子の働きにより、アクチンフィラメントの重合と脱重合が部位特異的に制御されている。特に、ミオシンモーターとの相互作用により発生する牽引力は、細胞移動や細胞内小胞輸送を駆動する。


マイクロフィラメント(別名:アクチンフィラメント)は、アクチン蛋白質が重合した細胞骨格であり、細胞の形態制御と運動および膜分子の局在制御などの多彩な生理機能を担う。アクチンフィラメントのATP加水分解活性および各種アクチン結合蛋白質と細胞内シグナル伝達分子の働きにより、アクチンフィラメントの重合と脱重合が部位特異的に制御されている。特に、ミオシンモーターとの相互作用により発生する牽引力は、細胞移動や細胞内小胞輸送を駆動する。
==マイクロフィラメンとは==
 
== 定義  ==


[[Image:Dammy 1pxX1px.png|thumb|300px|<wikiflv width="300" height="300" position="right" repeat="true" autostart="true">Actin_flow_movie.mp4</wikiflv><br>'''動画1.アクチンフィラメント後方移動の蛍光斑点イメージング'''<br>ニワトリ胚の脊髄後根神経節神経細胞に低濃度の蛍光標識ファロイジンを導入し、神経突起先端部(成長円錐)のアクチンフィラメントを斑点状にラベルした。動画(実際の30倍速)は、成長円錐の先導端から中心部へのアクチンフィラメントの移動を示す。移動速度は毎分約4マイクロメートル。]]
[[Image:Dammy 1pxX1px.png|thumb|300px|<wikiflv width="300" height="300" position="right" repeat="true" autostart="true">Actin_flow_movie.mp4</wikiflv><br>'''動画1.アクチンフィラメント後方移動の蛍光斑点イメージング'''<br>ニワトリ胚の脊髄後根神経節神経細胞に低濃度の蛍光標識ファロイジンを導入し、神経突起先端部(成長円錐)のアクチンフィラメントを斑点状にラベルした。動画(実際の30倍速)は、成長円錐の先導端から中心部へのアクチンフィラメントの移動を示す。移動速度は毎分約4マイクロメートル。]]


 マイクロフィラメントは[[細胞骨格]]を構成する微細な線維であり、[[アクチン]]フィラメントとほぼ同義で使用される。
 マイクロフィラメントは[[細胞骨格]]を構成する微細な線維であり、[[アクチン]]フィラメントとほぼ同義で使用される。
== 生理機能の概要  ==


 細胞形態の変化と保持、細胞移動、[[wikipedia:JA:細胞分裂|細胞分裂]]、細胞内[[wikipedia:JA:オルガネラ|オルガネラ]]と物質の輸送、膜分子の局在制御などの普遍的な働きを担うとともに<ref><pubmed> 20729930 </pubmed></ref>、筋細胞では[[ミオシン]]とともに[[wikipedia:JA:筋肉|筋]]収縮を駆動する。
 細胞形態の変化と保持、細胞移動、[[wikipedia:JA:細胞分裂|細胞分裂]]、細胞内[[wikipedia:JA:オルガネラ|オルガネラ]]と物質の輸送、膜分子の局在制御などの普遍的な働きを担うとともに<ref><pubmed> 20729930 </pubmed></ref>、筋細胞では[[ミオシン]]とともに[[wikipedia:JA:筋肉|筋]]収縮を駆動する。