「グルタミン酸」の版間の差分

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==神経伝達物質としての役割==
==グルタミン酸神経細胞の分布==
 グルタミン酸は脊椎動物中枢神経系の殆どの早い興奮性伝達物質を担っている他、遅いシナプス伝達の一部も担う。そのため、上位中枢から脊髄に至るまで、グルタミン酸性シナプスは広く分布している。また節足動物では神経筋接合部もグルタミン酸によって担われている。
 グルタミン酸は脊椎動物中枢神経系の殆どの早い興奮性伝達物質を担っている他、遅いシナプス伝達の一部も担う。そのため、上位中枢から脊髄に至るまで、グルタミン酸性神経細胞、並びにグルタミン酸性シナプスは広く分布している。この点、分布が限局しているカテコールアミン、アセチルコリンや神経ペプチドなどとは異なっている。


 また無脊椎動物では神経筋接合部もグルタミン酸によって担われている。海人草抽出成分が、駆虫薬として用いられる所以である。
==神経伝達物質として働くまで==
=== シナプス顆粒への取り込み ===
=== シナプス顆粒への取り込み ===


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====カイニン酸型グルタミン酸受容体====
====カイニン酸型グルタミン酸受容体====
:カイニン酸受容体はGluK1-3 (GluR5-7)、GluK4,5 (KA1-2)からなる。AMPA型受容体、NMDA型受容体と比較して中枢神経系での伝達の寄与は小さい。
 
:カイニン酸受容体はGluK1-3 (GluR5-7)、GluK4,5 (KA1-2)からなる。AMPA型受容体、NMDA型受容体と比較して中枢神経系での伝達の寄与は小さい。シナプス後部に存在する他、全部に存在し、神経伝達物質の放出の制御にも関わる。
 
''詳細は[[カイニン酸型グルタミン酸受容体]]の項目参照''


==== NMDA型グルタミン酸受容体 ====
==== NMDA型グルタミン酸受容体 ====
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=== 再取り込み ===
=== 再取り込み ===


 シナプス間隙に放出されたグルタミン酸は細胞膜に存在するグルタミン酸輸送体(Excitatory amino acid transporter, EAAT)によって細胞内へ取り込まれる事で不活化される。EAATはVGluTと同じくSLCタンパク質スーパーファミリーに属し、1-5までのサブタイプが存在する。EAAT1 と2はグリア細胞に存在し、3、4はニューロン、5は網膜に存在する。取り込みに要するエネルギーはEAAT1-3は細胞膜内外のNa+、K+勾配、EAAT4、5はCl−勾配を用いている。
 シナプス間隙に放出されたグルタミン酸は細胞膜に存在する[[グルタミン酸輸送体]](Excitatory amino acid transporter, EAAT)によって細胞内へ取り込まれる事で不活化される。EAATはVGluTと同じくSLCタンパク質スーパーファミリーに属し、1-5までのサブタイプが存在する。EAAT1と2はグリア細胞に存在し、3、4はニューロン、5は網膜に存在する。取り込みに要するエネルギーはEAAT1-3は細胞膜内外のNa+、K+勾配、EAAT4、5はCl−勾配を用いている。


 神経細胞膜に存在するEAATにより取り込まれたグルタミン酸は再利用される。グリア細胞の膜に存在する。
 神経細胞膜に存在するEAATにより取り込まれたグルタミン酸は再利用される。グリア細胞の膜に存在するグルタミン酸輸送体によりグリア細胞内に取り込まれたグルタミン酸は、一度グルタミン合成酵素(glutamine synthetase、glutamine synthase:GS)の働きでグルタミンに変換された後、神経細胞に取り込まれ、その中で再度グルタミン酸に変換された上で、再利用される。


==疾患との関わり==
==疾患との関わり==