96
回編集
Hiroshiishii (トーク | 投稿記録) 細編集の要約なし |
Hiroshiishii (トーク | 投稿記録) 細編集の要約なし |
||
14行目: | 14行目: | ||
| | ||
<span lang="EN-US"><span style="mso-spacerun: yes"> </span>脳虚血の動物モデルや培養組織において、HSP70を過剰発現させると虚血による損傷が軽減され、神経とグリア細胞に保護作用を示す<ref><pubmed> 10852544 </pubmed></ref><ref><pubmed> 11702045 </pubmed></ref><ref><pubmed> 15299042 </pubmed></ref><span style="color:#3366FF" />。これらの作用はHsp70のカルボキシ端末を介すると考えられている<ref><pubmed> 16292251 </pubmed></ref> | <span lang="EN-US"><span style="mso-spacerun: yes"> </span>脳虚血の動物モデルや培養組織において、HSP70を過剰発現させると虚血による損傷が軽減され、神経とグリア細胞に保護作用を示す<ref><pubmed> 10852544 </pubmed></ref><ref><pubmed> 11702045 </pubmed></ref><ref><pubmed> 15299042 </pubmed></ref><span style="color:#3366FF" />。これらの作用はHsp70のカルボキシ端末を介すると考えられている<ref><pubmed> 16292251 </pubmed></ref></span> | ||
<span lang="EN-US"> </span> | <span lang="EN-US"> </span> | ||
23行目: | 23行目: | ||
<span>神経においてβアミロイドを過剰発現して<span lang="EN-US">ADを再構成した系で、HSP70を強制発現するとβアミロイドを介する神経毒性が回避される<ref><pubmed> 14973234 </pubmed></ref><ref><pubmed> 16048839 </pubmed></ref>。</span></span><span lang="EN-US">またADマウスモデルにおいてHSP70を過剰発現させると、Aβの発現およびAβの組織沈着そして神経とシナプスの脱落が軽減され認知機能の低下が抑制されると報告されている<ref><pubmed> 21471357 </pubmed></ref>。また</span><span>αシヌクレイン発現による''<span lang="EN-US">Drosophila</span>''パーキンソン病モデルにおいて、ヒト<span lang="EN-US">HSP70を発現させると、 αシヌクレインによる毒性から免れると報告されている<ref><pubmed> 11823645 </pubmed></ref> | <span>神経においてβアミロイドを過剰発現して<span lang="EN-US">ADを再構成した系で、HSP70を強制発現するとβアミロイドを介する神経毒性が回避される<ref><pubmed> 14973234 </pubmed></ref><ref><pubmed> 16048839 </pubmed></ref>。</span></span><span lang="EN-US">またADマウスモデルにおいてHSP70を過剰発現させると、Aβの発現およびAβの組織沈着そして神経とシナプスの脱落が軽減され認知機能の低下が抑制されると報告されている<ref><pubmed> 21471357 </pubmed></ref>。また</span><span>αシヌクレイン発現による''<span lang="EN-US">Drosophila</span>''パーキンソン病モデルにおいて、ヒト<span lang="EN-US">HSP70を発現させると、 αシヌクレインによる毒性から免れると報告されている<ref><pubmed> 11823645 </pubmed></ref> | ||
</span></span><span /> | |||
<span>& | |||
<br> <span lang="EN-US">HSP90βと神経筋接合部</span> | <br> <span lang="EN-US">HSP90βと神経筋接合部</span> | ||
& | | ||
<span>アセチルコリンレセプターは細胞内で<span lang="EN-US">Rapsynというタンパク質を介してHSP90βと会合し、 神経筋接合部の発達と維持に関わっている<span style="color:blue">Luo et al.,</span> <span style="color:blue">Neuron 60, 97-110, | <span>アセチルコリンレセプターは細胞内で<span lang="EN-US">Rapsynというタンパク質を介してHSP90βと会合し、 神経筋接合部の発達と維持に関わっている<span style="color:blue">Luo et al.,</span> <span style="color:blue">Neuron 60, 97-110, | ||
68行目: | 65行目: | ||
<span lang="EN-US">HSC70は神経組織において発現が高い。ALSの病変となる脊髄では比較的低レベルのHSC70が発現しているが、ADの病変となる海馬や内嗅皮質においては高レベルの発現が見られる。そしてPDの病変箇所である黒質においては中間の発現レベルであることが確認されており、丁度それぞれの疾患の発症頻度とよく逆相関しているため、HSC70の神経変性疾患における神経保護作用が示唆されている<span style="color:#3366FF">61</span>。</span> | <span lang="EN-US">HSC70は神経組織において発現が高い。ALSの病変となる脊髄では比較的低レベルのHSC70が発現しているが、ADの病変となる海馬や内嗅皮質においては高レベルの発現が見られる。そしてPDの病変箇所である黒質においては中間の発現レベルであることが確認されており、丁度それぞれの疾患の発症頻度とよく逆相関しているため、HSC70の神経変性疾患における神経保護作用が示唆されている<span style="color:#3366FF">61</span>。</span> | ||
<span lang="EN-US"> </span> | <span lang="EN-US"> </span><br> <span lang="EN-US">== 参考文献<span style="mso-spacerun: yes"> </span>==</span> <br> <br> <references /> | ||
<br> | <br> | ||
執筆者:石井宏史、担当編集委員:柚崎通介 | 執筆者:石井宏史、担当編集委員:柚崎通介 |
回編集