「塩素チャネル」の版間の差分

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[[Image:CFTR.gif|thumb|right|620px|'''図3 CFTRチャネル'''<br>リン酸化領域(R domain)により結ばれた2つの膜貫通領域(MSD)とATP結合領域(NBD)のペアが向かい合ってチャネルが形成される([8]より転載)。]] CFTRチャネルは12個の膜貫通部位を持ち、そのうちの6個ずつが1組で1つの膜貫通領域(membrane-spanning (transmembrane) domain; MSD (TMD))を構成し、それぞれのMSDについて細胞質側に1つのATP結合領域(nucleotide-binding domain; NBD)が連結する。さらに、PKA によるリン酸化を受ける調節領域(Rドメイン)が2つのMSD-NBDペアを連結し、それらのペアが向かい合わせの配向を取ることにより、チャネルが形成されると考えられている。Rドメインがリン酸化を受けた状態でNBDにATPが結合すると、NBDの二量体化に伴ってチャネルゲートが開き、その後ATPの加水分解によりNBD二量体が解離し、チャネルゲートが閉じると考えられている[10]。  
[[Image:CFTR.gif|thumb|right|620px|'''図3 CFTRチャネル'''<br>リン酸化領域(R domain)により結ばれた2つの膜貫通領域(MSD)とATP結合領域(NBD)のペアが向かい合ってチャネルが形成される([8]より転載)。]] CFTRチャネルは12個の膜貫通部位を持ち、そのうちの6個ずつが1組で1つの膜貫通領域(membrane-spanning (transmembrane) domain; MSD (TMD))を構成し、それぞれのMSDについて細胞質側に1つのATP結合領域(nucleotide-binding domain; NBD)が連結する。さらに、PKA によるリン酸化を受ける調節領域(Rドメイン)が2つのMSD-NBDペアを連結し、それらのペアが向かい合わせの配向を取ることにより、チャネルが形成されると考えられている。Rドメインがリン酸化を受けた状態でNBDにATPが結合すると、NBDの二量体化に伴ってチャネルゲートが開き、その後ATPの加水分解によりNBD二量体が解離し、チャネルゲートが閉じると考えられている[10]。  
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==発現==
===ClC塩素チャネル===
ClC-2は神経系では広く神経・グリアともに、また胎生期・生後ともに[11]、その発現が認められる。ClC-3・-4・-6・-7も神経系に広く発現しているが、そのほとんどが細胞内小胞膜上(エンドソーム・リソソーム等、ClC-3は一部のシナプス小胞にも)に分布している。


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===カルシウム依存性塩素チャネル===
Ano1/TMEM16Aは神経系では主に末梢神経系(後根神経節や交感神経節細胞)に強い発現が認められる。Ano2/TMEM16Bは特に網膜や嗅神経で多く、脳内では大脳皮質・中脳・脳幹部に或る程度の発現が報告されている。<br>BestrophinファミリーのBest1は広く神経・グリア双方で発現が報告されており、Best2は特に嗅神経での発現が認められている。Best3・Best4は神経系でのタンパク質レベルでの発現は未だ確認されていないが、mRNAは脳内の神経・グリア双方で或る程度の発現が確認されている。
 
===細胞容積感受性塩素チャネル===
責任分子が未同定であるVSORやマキシアニオンチャネルについて、その発現をmRNAやタンパク質の検出により確認することは現時点では不能だが、機能的には細胞に低浸透圧負荷を与えて膨張させることにより、少なくともVSORについては、その活性は神経・グリア双方で確実に観測される[5]。マキシアニオンチャネルについても、神経・グリア双方でその活性は報告されているが、低浸透圧負荷の場合はVSOR活性の方が圧倒的に優勢なため、明瞭な観測には予めVSOR活性化を阻害剤で抑制しておく必要がある[6]。
 
===CFTR塩素チャネル===
神経系での発現は上皮細胞に比して少ないが、脳内の広範な部位の神経細胞、但し細胞膜上よりもむしろ細胞質内に多くチャネルの発現が認められるとの報告がある[12]。一方、グリアではあまり発現は認められていない。


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