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===スライス方法=== | ===スライス方法=== | ||
スライス作業の方法としては、(1)マニュアル法と(2)スライス作成装置を用いる方法の2通りがある。いずれの場合も、通常300マイクロメーター程度の厚さのものを得る。 | |||
====マニュアル法==== | ====マニュアル法==== | ||
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===培養法=== | ===培養法=== | ||
多孔質膜(フィルター)にスライスを載せる方法、培養皿の底面にスライスを置く方法の2通りがある。「細胞培養」の場合、インキュベーターのガスは5% CO2 + 95%大気という組成である。この方法でスライスの培養を「底式」で行なうと、スライスの深部において[[wikipedia:JA:壊死|壊死]]が起こりやすい。そのため、酸素濃度を40%〜95%の高レベルに設定することが試みられる。酸素の供給とその毒性との折り合いがつく箇所がスライス中のどこかに確保できるとの意識、経験則にもとづいて対象に応じた工夫がなされている。「フィルター式」でも高酸素を与える場合もある。また、培地の静置ではなく灌流が行なわれることもある。 | |||
====多孔質膜(フィルター)にスライスを載せる方法==== | ====多孔質膜(フィルター)にスライスを載せる方法==== | ||
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==展望== | ==展望== | ||
顕微鏡、培養装置、画像撮影装置、コンピューターなどの進歩にともなって、ますますスライス培養の利用される機会が増す事が予想されるが、一方で、この手法があくまでも「培養」であることも忘れてはならない。組織学的解析などにもとづく生体内の現象との比較を通じて、適切な利用がなされる必要がある。 | 顕微鏡、培養装置、画像撮影装置、コンピューターなどの進歩にともなって、ますますスライス培養の利用される機会が増す事が予想されるが、一方で、この手法があくまでも「培養」であることも忘れてはならない。組織学的解析などにもとづく生体内の現象との比較を通じて、適切な利用がなされる必要がある。 | ||
==参考文献== | ==参考文献== | ||
< | 1. '''安田國雄'''編集<br> | ||
「図・写真で観る発生・再生実験マニュアル」遺伝子医学別冊<br> | |||
''株式会社 メディカル ドゥ''<br> | |||
2. edited by '''Gary Banker and Kimberly Goslin'''<br> | |||
「Culturing Nerve Cells, 2nd edition」<br> | |||
''MIT press''<br> | |||
(執筆者:宮田卓樹 担当編集委員:大隅典子) | (執筆者:宮田卓樹 担当編集委員:大隅典子) |