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(ページの作成:「英: Neprilysin、英略語: NEP 同義語: エンケファリナーゼ、中性エンドペプチダーゼ24.11、CD10、membrane metallo-endopeptidase、common acute lym...」)
 
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ネプリライシン(EC 3.4.24.11)は、5-40アミノ酸残基ほどの長さを有するペプチドを基質として、ペプチド内部の疎水性アミノ酸残基の前で切断を行う膜結合型のメタロペプチダーゼである。エンケファリナーゼや中性エンドペプチダーゼ24.11とも呼ばれ、白血球のCD10抗原としても知られている[1][2]。アルツハイマー病脳に蓄積し、発症に中核的役割を果たすアミロイドβペプチドの脳内主要酵素であることが明らかにされて以来、病態との関連性や創薬標的として注目されている[3][4]。前立腺などのがんの進行にも関与することが知られている[2]。
ネプリライシン(EC 3.4.24.11)は、5-40アミノ酸残基ほどの長さを有するペプチドを基質として、ペプチド内部の疎水性アミノ酸残基の前で切断を行う膜結合型のメタロペプチダーゼである。エンケファリナーゼや中性エンドペプチダーゼ24.11とも呼ばれ、白血球のCD10抗原としても知られている[1][2]。アルツハイマー病脳に蓄積し、発症に中核的役割を果たすアミロイドβペプチドの脳内主要酵素であることが明らかにされて以来、病態との関連性や創薬標的として注目されている[3][4]。前立腺などのがんの進行にも関与することが知られている[2]。
目次
1.ネプリライシンとは
2.構造とサブファミリー
3.発現(組織分布、細胞内分布)
4.基質特異性
5.遺伝子欠損マウスの表現型と生理的役割
6.アルツハイマー病との関係
6.1加齢に伴う発現レベルの変化
6.2アルツハイマー病脳での発現レベル
6.3 ネプリライシン活性の調節
6.4 ネプリライシン遺伝子を利用したアルツハイマー病の遺伝子治療
7. がんとの関連
8. 参考文献


1.ネプリライシンとは
1.ネプリライシンとは
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別名、急性リンパ性白血病共通抗原(CALLA)としても知られているように、白血病小児の特定のリンパ球の細胞表面に一過性に過剰発現するため、診断マーカーとしても用いられている。また、血液系以外にも、前立腺、子宮内膜、腎臓および肺などのがんの進行にも関与している。特に注目されているのは前立腺がんで、ネプリライシンの発現レベルの低下により、ボンベシンなどの細胞増殖作用を持つペプチドの分解低下を通してアンドロゲン非依存的にがんの進行に関わるとされている。実際、in vitroで前立腺がん細胞にネプリライシン遺伝子を過剰発現させると腫瘍の増殖が抑制されることが示されている。
別名、急性リンパ性白血病共通抗原(CALLA)としても知られているように、白血病小児の特定のリンパ球の細胞表面に一過性に過剰発現するため、診断マーカーとしても用いられている。また、血液系以外にも、前立腺、子宮内膜、腎臓および肺などのがんの進行にも関与している。特に注目されているのは前立腺がんで、ネプリライシンの発現レベルの低下により、ボンベシンなどの細胞増殖作用を持つペプチドの分解低下を通してアンドロゲン非依存的にがんの進行に関わるとされている。実際、in vitroで前立腺がん細胞にネプリライシン遺伝子を過剰発現させると腫瘍の増殖が抑制されることが示されている。


 
8. 参考文献
脚注1エンドトキシ(内毒素):グラム陰性菌の外膜に存在する耐熱性の毒素.糖脂質と糖鎖からなるリポ多糖で,免疫系などに作用してマクロファージや好中球を活性化してサイトカインなどの炎症性因子の放出を促す.
 
脚注2 Braak stage:アルツハイマー病病理の進行度を示す尺度の一つで,神経原線維変化の進行ステージ.最初に移行嗅内皮質から病変が出現し,辺縁系,新皮質へと広がる.Ⅰ:移行嗅内皮質,Ⅱ:嗅内皮質に進展,Ⅲ: 海馬に進展,Ⅳ: 海馬に多量に出現+新皮質に進展,V:新皮質連合野に多数出現,Ⅵ: 新皮質一次野に多数出現の6段階に分けられる.Ⅰ~Ⅱ:移行嗅内皮質ステージ,Ⅲ~Ⅳ:辺縁系ステージ,V~Ⅵ:新皮質ステージに大別され,各々,認知機能正常,軽度認知障害,認知症に対応する.Braak H, Braak E: Neuropathological stageing of Alzheimer-related changes. Acta Neuropathol. 82: 239-259, 1991.
 
参考文献
[1] Roques BP, Noble F, Daugé V, Fournié-Zaluski MC, Beaumont A: Neutral endopeptidase 24.11: structure, inhibition, and experimental and clinical pharmacology. Pharmacol Rev: 1993, 45(1);87-146 [PubMed:8475170]
[1] Roques BP, Noble F, Daugé V, Fournié-Zaluski MC, Beaumont A: Neutral endopeptidase 24.11: structure, inhibition, and experimental and clinical pharmacology. Pharmacol Rev: 1993, 45(1);87-146 [PubMed:8475170]
[2] Turner AJ: Neprilysin, In Handbook of Proteolytic Enzyzmes, Second edition, Barrett AJ, Rawlings ND, Woessner JF, Eds. (Academic Press, London, 2004), vol. 1, chap.108.
[2] Turner AJ: Neprilysin, In Handbook of Proteolytic Enzyzmes, Second edition, Barrett AJ, Rawlings ND, Woessner JF, Eds. (Academic Press, London, 2004), vol. 1, chap.108.
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[41] Nilsson P, Iwata N, Muramatsu S, Tjernberg LO, Winblad B, Saido TC. Gene therapy in Alzheimer's disease -Potential for disease modification. J Cell Mol Med: 2010, 14(4);741-57 [PubMed:20158567][DOI: 10.1111/j.1582-4934.2010.01038.x]
[41] Nilsson P, Iwata N, Muramatsu S, Tjernberg LO, Winblad B, Saido TC. Gene therapy in Alzheimer's disease -Potential for disease modification. J Cell Mol Med: 2010, 14(4);741-57 [PubMed:20158567][DOI: 10.1111/j.1582-4934.2010.01038.x]
[42] Iwata N, Sekiguchi M, Hattori Y, Takahashi A, Asai M, Ji B, Higuchi M, Staufenbiel M, Muramatsu S, Saido TC. Global and effective gene delivery of neprilysin to the brain via intravascular administration of AAV vector in Alzheimer's disease mice. Sci Rep: 2013, 3 Article number 1472 [PubMed:23503602][DOI: 10.1038/srep01472.]
[42] Iwata N, Sekiguchi M, Hattori Y, Takahashi A, Asai M, Ji B, Higuchi M, Staufenbiel M, Muramatsu S, Saido TC. Global and effective gene delivery of neprilysin to the brain via intravascular administration of AAV vector in Alzheimer's disease mice. Sci Rep: 2013, 3 Article number 1472 [PubMed:23503602][DOI: 10.1038/srep01472.]
脚注1エンドトキシ(内毒素):グラム陰性菌の外膜に存在する耐熱性の毒素.糖脂質と糖鎖からなるリポ多糖で,免疫系などに作用してマクロファージや好中球を活性化してサイトカインなどの炎症性因子の放出を促す.
脚注2 Braak stage:アルツハイマー病病理の進行度を示す尺度の一つで,神経原線維変化の進行ステージ.最初に移行嗅内皮質から病変が出現し,辺縁系,新皮質へと広がる.Ⅰ:移行嗅内皮質,Ⅱ:嗅内皮質に進展,Ⅲ: 海馬に進展,Ⅳ: 海馬に多量に出現+新皮質に進展,V:新皮質連合野に多数出現,Ⅵ: 新皮質一次野に多数出現の6段階に分けられる.Ⅰ~Ⅱ:移行嗅内皮質ステージ,Ⅲ~Ⅳ:辺縁系ステージ,V~Ⅵ:新皮質ステージに大別され,各々,認知機能正常,軽度認知障害,認知症に対応する.Braak H, Braak E: Neuropathological stageing of Alzheimer-related changes. Acta Neuropathol. 82: 239-259, 1991.


(執筆者:岩田修永、担当編集委員:尾藤晴彦)
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