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<font size="+1">[http://www.med.nagoya-cu.ac.jp/w3med/research/reports/results/011.html 澤田 雅人]、[http://researchmap.jp/kazunobusawamoto 澤本 和延]</font><br> | <font size="+1">[http://www.med.nagoya-cu.ac.jp/w3med/research/reports/results/011.html 澤田 雅人]、[http://researchmap.jp/kazunobusawamoto 澤本 和延]</font><br> | ||
''名古屋市立大学 大学院医学研究科 再生医学分野 大学院医学研究科''<br> | ''名古屋市立大学 大学院医学研究科 再生医学分野 大学院医学研究科''<br> | ||
DOI:<selfdoi /> 原稿受付日:2012年12月10日 原稿完成日:2013年3月24日<br> | |||
担当編集委員:[http://researchmap.jp/noriko1128 大隅 典子](東北大学 大学院医学系研究科 附属創生応用医学研究センター 脳神経科学コアセンター 発生発達神経科学分野)<br> | 担当編集委員:[http://researchmap.jp/noriko1128 大隅 典子](東北大学 大学院医学系研究科 附属創生応用医学研究センター 脳神経科学コアセンター 発生発達神経科学分野)<br> | ||
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===分子機構 === | ===分子機構 === | ||
上衣細胞の発生において、[[FoxJ1]]及びそれに関連する[[転写因子]]群が上衣細胞の分化過程に関与することが示されている。FoxJ1は[[forkhead (Fox) DNA結合ドメイン]]を持つ転写因子の1つで、運動性繊毛を持つ細胞に特異的に発現している。FoxJ1欠損マウスでは、繊毛運動に関与する[[モータータンパク質]]である[[ | 上衣細胞の発生において、[[FoxJ1]]及びそれに関連する[[転写因子]]群が上衣細胞の分化過程に関与することが示されている。FoxJ1は[[forkhead (Fox) DNA結合ドメイン]]を持つ転写因子の1つで、運動性繊毛を持つ細胞に特異的に発現している。FoxJ1欠損マウスでは、繊毛運動に関与する[[モータータンパク質]]である[[ダイニン]]及び[[キネシン]]が減少するため、基底小体の細胞膜への移動及び繊毛形成ができない<ref><pubmed> 10873152</pubmed></ref><ref><pubmed> 19906869</pubmed></ref><ref><pubmed> 19011629</pubmed></ref><ref><pubmed> 19011630</pubmed></ref>。また、FoxJ1は[[E-cadherin]]や[[N-cadherin]]に結合する[[アダプタータンパク質]][[アンキリンG]] ([[Ank3]]) の発現を制御しており、Ank3変異マウスでは発達途中の上衣細胞同士の細胞膜結合や[[接着結合]]が減少して、正常に分化できないことが報告されている<ref><pubmed> 21745638</pubmed></ref>。さらに、FoxJ1[[プロモーター]]結合因子の1つである[[regulatory factor X-3]] ([[RFX3]]) は、ダイニン遺伝子のプロモーター配列にも結合し、発達中の上衣細胞における繊毛の伸長や繊毛運動の頻度に影響を及ぼすことが示唆されている<ref><pubmed> 19671664</pubmed></ref>。 | ||
上衣細胞から発生した腫瘍が上衣細胞腫である。中枢神経系腫瘍の10%を占め、典型的な上衣細胞の微細構造や免疫組織化学的特徴を示す<ref><pubmed> 9812425</pubmed></ref>。腫瘍化の原因として、放射状グリアの分裂面の配向性や接着結合、[[Notch]]シグナル制御の異常が示唆されている<ref><pubmed> 17179988</pubmed></ref>。 | |||
===成熟の分子機構 === | ===成熟の分子機構 === |