「トリプレット病」の版間の差分

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| (CAG)n  
| (CAG)n  
| HTT  
| HTT  
| huntingtin  
| [[huntingtin]]
| 6-34  
| 6-34  
| 36-121  
| 36-121  
82行目: 82行目:
| エクソン  
| エクソン  
| (CAG)n  
| (CAG)n  
| AR  
| [[AR]]
| androgen receptor  
| androgen receptor  
| 9-36  
| 9-36  
137行目: 137行目:
|-
|-
| 脊髄小脳変性症7型  
| 脊髄小脳変性症7型  
| SCA7  
| [[SCA7]]
| [http://omim.org/entry/164500 164500]  
| [http://omim.org/entry/164500 164500]  
| 3p14.1  
| 3p14.1  
207行目: 207行目:
| (CTG)n  
| (CTG)n  
| ATXN8OSまたはATXN8  
| ATXN8OSまたはATXN8  
| 不明(本文参照)(これで良いでしょうか?)
| 不明(本文参照)
| 15-50  
| 15-50  
| 71-1300  
| 71-1300  
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| 小脳失調、振戦、認知症
| 小脳失調、振戦、認知症
|-
|-
| (病名を御入れ下さい)
| [[ハンチントン病類縁疾患2型]]
| HDL2  
| HDL2  
| [http://omim.org/entry/606438 606438]  
| [http://omim.org/entry/606438 606438]  
230行目: 230行目:
| ?  
| ?  
| (CTG)n  
| (CTG)n  
| HDL2-CAG ?
| HDL2-CAG?、あるいは[[JPH3]]
|
| HDL2-CAG?、あるいは[[ジャンクトフィリン]]3
| 6-28  
| 6-28  
| >41  
| >41  
287行目: 287行目:
Spinocerebellar ataxia type 1 (SCA1)
Spinocerebellar ataxia type 1 (SCA1)


 '''脊髄小脳変性症 (SCAs)と歯状核赤核淡蒼球ルイ体変性症 (DRPLA)は小脳及びそれに関連する神経路の変性を主体とする変性疾患で、臨床的には中年期に発症することが多く小脳失調や構音障害などの症状が共通して認められる。''' SCA1は、[[アタキシン1]] (ATXN1)をコードする''SCA1''遺伝子内のCAGリピートの異常伸長による常染色体優性遺伝性疾患。患者は小脳性運動失調・構音障害・嚥下障害・外眼筋麻痺・[[錐体路症状]]・認知機能障害などの症状を呈する。表現促進現象が認められる。ATXN1は広く中枢神経系の神経細胞で発現しているが神経病理学的にはプルキンエ細胞・小脳[[歯状核]]・[[赤核]]・[[橋核]]・[[下オリーブ核]]・[[クラーク柱]]・[[脊髄小脳路]]などを中心に選択的変性を認め、残存する神経細胞核内にはATXN1陽性の封入体形成が認められる。ATXN1の生理機能には不明な点が多いが、核移行シグナルを有し、またRNAと結合しうることが示されている。加えてATXN1と相互作用するまたさまざまな因子([[ATXN1L]],[[CIC]],[[RBM17]]など)が同定されており、ポリグルタミン鎖の伸長はそれら因子との相互作用を複雑に変化させ、病態発現に関与していると考えられる<ref><pubmed>18957430</pubmed></ref>。  
 '''脊髄小脳変性症 (SCAs)と歯状核赤核淡蒼球[[ルイ体]]変性症 (DRPLA)は小脳及びそれに関連する神経路の変性を主体とする変性疾患で、臨床的には中年期に発症することが多く小脳失調や構音障害などの症状が共通して認められる。''' SCA1は、[[アタキシン1]] (ATXN1)をコードする''SCA1''遺伝子内のCAGリピートの異常伸長による常染色体優性遺伝性疾患。患者は小脳性運動失調・構音障害・嚥下障害・外眼筋麻痺・[[錐体路症状]]・認知機能障害などの症状を呈する。表現促進現象が認められる。ATXN1は広く中枢神経系の神経細胞で発現しているが神経病理学的にはプルキンエ細胞・小脳[[歯状核]]・[[赤核]]・[[橋核]]・[[下オリーブ核]]・[[クラーク柱]]・[[脊髄小脳路]]などを中心に選択的変性を認め、残存する神経細胞核内にはATXN1陽性の封入体形成が認められる。ATXN1の生理機能には不明な点が多いが、核移行シグナルを有し、またRNAと結合しうることが示されている。加えてATXN1と相互作用するまたさまざまな因子([[ATXN1L]],[[CIC]],[[RBM17]]など)が同定されており、ポリグルタミン鎖の伸長はそれら因子との相互作用を複雑に変化させ、病態発現に関与していると考えられる<ref><pubmed>18957430</pubmed></ref>。  


=== 脊髄小脳失調症2型 ===
=== 脊髄小脳失調症2型 ===
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=== 脊髄小脳失調症7型 ===
=== 脊髄小脳失調症7型 ===


Spinocerebellar ataxia type 7 (SCA7)
[[Spinocerebellar ataxia type 7]] (SCA7)


 [[アタキシン7]] (ATXN7) をコードする''SCA7''遺伝子内のCAGリピートの異常伸長による[[常染色体優性]]遺伝性疾患で、[[網膜黄斑変性症]]を伴うのが特徴的である。視覚障害と小脳失調が主症状で、黄斑変性の他に[[視神経]]萎縮や[[網膜色素変性]]が認められることもある。ATXN7は[[GCN5]][[ヒストンアセチル化酵素複合体]]のサブユニットで転写コアクチベーター機能を有する。変異アタキシン7が含まれるGCN5複合体は[[網膜桿体細胞]]の[[ロドプシン]]遺伝子などのプロモーターに誘導されやすく、H3ヒストンの過剰なアセチル化を介して[[wikipedia:ja:クロマチン|クロマチン]]構造に変化をきたし、これら遺伝子の発現を抑制するのではないかとの説が提唱されている<ref><pubmed>16911843</pubmed></ref>。  
 [[アタキシン7]] (ATXN7) をコードする''SCA7''遺伝子内のCAGリピートの異常伸長による[[常染色体優性]]遺伝性疾患で、[[網膜黄斑変性症]]を伴うのが特徴的である。視覚障害と小脳失調が主症状で、黄斑変性の他に[[視神経]]萎縮や[[網膜色素変性]]が認められることもある。ATXN7は[[GCN5]][[ヒストンアセチル化酵素複合体]]のサブユニットで転写コアクチベーター機能を有する。変異アタキシン7が含まれるGCN5複合体は[[網膜桿体細胞]]の[[ロドプシン]]遺伝子などのプロモーターに誘導されやすく、H3[[ヒストン]]の過剰な[[アセチル化]]を介して[[wikipedia:ja:クロマチン|クロマチン]]構造に変化をきたし、これら遺伝子の発現を抑制するのではないかとの説が提唱されている<ref><pubmed>16911843</pubmed></ref>。  


=== 脊髄小脳失調症17型 ===
=== 脊髄小脳失調症17型 ===