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 ヒスタミンは中枢神経系において神経伝達物質として働く<ref name="ref7"><pubmed> 11793338</pubmed></ref><ref name="ref8"><pubmed> 18626069</pubmed></ref>。脳におけるヒスタミンの作用は、[[覚醒]]の維持を助けるものであると考えられている。また、[[抗アレルギー薬]]のもつ眠気の副作用は中枢神経系での作用であると考えられている。
 ヒスタミンは末梢組織における炎症の重要なメディエーターであるが、中枢神経系においては神経伝達物質としても働く<ref name=ref1 />。<ref name="ref7"><pubmed> 18626069 </pubmed></ref><ref name="ref8"><pubmed> 21324537 </pubmed></ref>。脳におけるヒスタミンの作用は、[[覚醒]]の維持を助けるものであると考えられている。また、[[抗アレルギー薬]]のもつ眠気の副作用は中枢神経系での作用であると考えられている。


=== 神経解剖 ===
=== 神経解剖 ===
 ヒスタミン作動性神経細胞は、[[視床下部]]の[[隆起乳頭体核]]に存在する。投射は脳の広範囲に及ぶ。
 ヒスタミン作動性神経細胞は、[[視床下部]]の[[隆起乳頭体核]]に存在する。投射先は脳全体に及ぶが、その密度は低い。
 
===合成・代謝===
ヒスタミンは、ヒスチジンからヒスチジン脱炭酸酵素により生合成される。ヒスチジン脱炭酸酵素はピリドキサールリン酸を補酵素として必要とする。ほ乳類脳においてヒスタミンの多くはヒスタミンメチル基転移酵素によりメチル化され、さらにモノアミン酸化酵素B(MAOB)により酸化され、メチルイミダゾール酢酸となり排出される。


===ヒスタミン受容体 ===
===ヒスタミン受容体 ===


 [[ヒスタミン受容体]]はH1からH4型が存在し、そのうちH1、H2、H3が脳で発現している。
 [[ヒスタミン受容体]]はH1からH4型が存在し、現在はその全てが脳で発現しているとされる。H<sub>1</sub>受容体はホスホリパーゼCを活性化し、イノシトール三リン酸(IP3)およびジアシルグリセロール(DAG)を増加させる。H2受容体はcAMPカスケードを活性化、逆にH3受容体はcAMPカスケードを抑制する。H4受容体の作用についてはまだはっきりと分かっていない。H1およびH2受容体は神経細胞の興奮性や可塑性を調節する。H3受容体はヒスタミン作動性神経細胞や、特定の中枢神経細胞のプレシナプスに発現し、神経伝達物質の放出を抑制する働きがある<ref name=ref8><pubmed>18626069 </pubmed></ref>。


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
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