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現在のところ個々の症状に対する対症療法のみで、有効性が示された根本療法はない。不随意運動に対する対症療法としては、長らくチアプリドやハロペリドール、ペルフェナジンといったドパミン受容体遮断作用を有する向精神薬が用いられてきた。2008年にFDAにより、ハンチントン病に伴う舞踏運動に対する薬剤としてテトラベナジンが承認された。テトラベナジンは、欧米で昔から不随意運動に対する治療薬として用いられてきたモノアミン小胞トランスポーター2(VMAT2)の選択的阻害剤であり、線条体の神経終末にてドパミンを枯渇させることによって不随意運動を抑制する機序を有する。無作為化比較試験にて不随意運動の減少効果が認められ<ref><pubmed>16476934</pubmed></ref>、テトラベナジンは米国神経学会による治療ガイドラインでは第一選択に位置付けられている<ref><pubmed>22815556</pubmed></ref>。本邦でも2012年12月に承認された。 | 現在のところ個々の症状に対する対症療法のみで、有効性が示された根本療法はない。不随意運動に対する対症療法としては、長らくチアプリドやハロペリドール、ペルフェナジンといったドパミン受容体遮断作用を有する向精神薬が用いられてきた。2008年にFDAにより、ハンチントン病に伴う舞踏運動に対する薬剤としてテトラベナジンが承認された。テトラベナジンは、欧米で昔から不随意運動に対する治療薬として用いられてきたモノアミン小胞トランスポーター2(VMAT2)の選択的阻害剤であり、線条体の神経終末にてドパミンを枯渇させることによって不随意運動を抑制する機序を有する。無作為化比較試験にて不随意運動の減少効果が認められ<ref><pubmed>16476934</pubmed></ref>、テトラベナジンは米国神経学会による治療ガイドラインでは第一選択に位置付けられている<ref><pubmed>22815556</pubmed></ref>。本邦でも2012年12月に承認された。 | ||
今後有望な根本治療は前項で述べた他に、少数例ではあるが胎児線条体の移植も試みられており、良好な経過をたどった症例では5年間を超えるフォローアップで臨床的な改善、PETにて[[D2受容体|D<sub>2</sub>受容体]]結合能の改善が続いていることが示されている<ref><pubmed>18356253</pubmed></ref>。また、トランスジェニックマウスでは[[AAVベクター]]を用いたハンチンチンに対する[[RNAi]]治療により臨床症状の改善を示すことに成功しており、患者への応用が期待される<ref><pubmed>15811941</pubmed></ref>。 | |||
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