「PDZドメインタンパク質」の版間の差分

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 C(-2)の位置のアミノ酸も重要であるが、その一つN末端側のC(-3)の位置のアミノ酸も、PDZドメインタンパク質とリガンドタンパク質との特異的な結合において重要である事がわかっている。
 C(-2)の位置のアミノ酸も重要であるが、その一つN末端側のC(-3)の位置のアミノ酸も、PDZドメインタンパク質とリガンドタンパク質との特異的な結合において重要である事がわかっている。


 
{| class="wikitable" style="float=right"
表1 PDZドメインの分類
|+ 表1.PDZドメインの分類
Class C末端配列 リガンドタンパク質 PDZドメインタンパク質
|-
ClassI
| Class
X-S/T-X-V E-S-D-V NMDAR2A/B [[PSD]]-95 (PDZ2)
| C末端配列
T-T-R-V Neuroligin PSD-95 (PDZ3)
| リガンドタンパク質
E-S-L-V Voltage-gated Na+ channel Syntrophin
| PDZドメインタンパク質
X-S/T-X-L Q-T-R-L [[GKAP]] [[Shank]]
|-
S-S-T-L mGluR5 Shank
| ClassI
ClassII
|
X-φ-X-φ S-V-K-I GluR2 PICK-1, GRIP (PDZ5)
|
S-V-E-V [[EPHB2|EphB2]] PICK-1, GRIP (PDZ6)
|
E-F-Y-A Syndecan CASK
|-
E-Y-Y-V Neurexin CASK
| rowspan="3" | X-S/T-X-V
ClassIII
| E-S-D-V
X-D-X-V V-D-S-V Melatoninn receptor nNOS
| NMDAR2A/B
| PSD-95 (PDZ2)
|-
| T-T-R-V
| Neuroligin
| PSD-95 (PDZ3)
|-
| E-S-L-V  
| Voltage-gated Na<sup>+</sup> channel
| Syntrophin
|-
| rowspan="2" | X-S/T-X-L
| Q-T-R-L
| GKAP
| Shank
|-
| S-S-T-L
| mGluR5
| Shank
|-
| ClassII  
|
|
|
|-
| rowspan="4" | X-φ-X-φ
| S-V-K-I
| GluR2
| PICK-1, GRIP (PDZ5)
|-
| S-V-E-V
| EphB2
| PICK-1, GRIP (PDZ6)
|-
| E-F-Y-A
| Syndecan
| CASK
|-
| E-Y-Y-V
| Neurexin
| CASK
|-
| ClassIII
|
|
|
|-
| X-D-X-V  
| V-D-S-V
| Melatoninn receptor
| nNOS
|-
|}
X:任意のアミノ酸、φ:疎水性アミノ酸
X:任意のアミノ酸、φ:疎水性アミノ酸


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 PDZドメインタンパク質の特徴として、PDZドメインを複数もつ分子が多いということがあげられる<ref name=ref2 />。現在発見されているタンパク質の中では、13個のPDZドメインをもつMUPP1が最も多くPDZドメインを持つタンパク質として知られている<ref name=ref5><pubmed>9537516</pubmed></ref>。また、複数のPDZドメインは連続したグループとして存在しており、このような構造的特徴がPDZドメインに結合するリガンドタンパク質を協調的に働かせるのに資していると考えられている。
 PDZドメインタンパク質の特徴として、PDZドメインを複数もつ分子が多いということがあげられる<ref name=ref2 />。現在発見されているタンパク質の中では、13個のPDZドメインをもつMUPP1が最も多くPDZドメインを持つタンパク質として知られている<ref name=ref5><pubmed>9537516</pubmed></ref>。また、複数のPDZドメインは連続したグループとして存在しており、このような構造的特徴がPDZドメインに結合するリガンドタンパク質を協調的に働かせるのに資していると考えられている。
 
==調整機構==
==調整機構==
 PDZドメインタンパク質とリガンドタンパク質の相互作用はリン酸化によって調節される<ref name=ref6 />。典型的には、リガンドタンパク質のC末端のリン酸化によって、PDZドメインとの相互作用が阻害される。例えば、カリウム[[イオンチャネル]]やβ1[[アドレナリン受容体]]、stargazinなどのC末端がリン酸化されることによって、PSD-95のPDZドメインとの結合能が低下する。また、PDZドメインのリン酸化もリガンドタンパク質との相互作用に影響を及ぼす。例えば、calmodulin dependent protein kinase II(CaMKII)依存的にsynapse-associated protein97(SAP97)のPDZドメインがリン酸化されることによって、N-methyl –D-asparate(NMDA)受容体のサブユニットのNR2Aとの相互作用が低下する。
 PDZドメインタンパク質とリガンドタンパク質の相互作用はリン酸化によって調節される<ref name=ref6 />。典型的には、リガンドタンパク質のC末端のリン酸化によって、PDZドメインとの相互作用が阻害される。例えば、カリウム[[イオンチャネル]]やβ1[[アドレナリン受容体]]、stargazinなどのC末端がリン酸化されることによって、PSD-95のPDZドメインとの結合能が低下する。また、PDZドメインのリン酸化もリガンドタンパク質との相互作用に影響を及ぼす。例えば、calmodulin dependent protein kinase II(CaMKII)依存的にsynapse-associated protein97(SAP97)のPDZドメインがリン酸化されることによって、N-methyl –D-asparate(NMDA)受容体のサブユニットのNR2Aとの相互作用が低下する。