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一方、[[樹状突起]][[スパイン]])の形態を制御する[[アクチン]]の重合を可視化するためのFRETプローブが開発され、アクチンの重合が長期増強現象に伴い引き起こされる事、またそれが長期間維持される事が示された<ref name=ref10 />。その調節の上流にある[[Rho族低分子量Gタンパク質]][[Cdc42]]、[[RhoA]]の活性も同様に維持される事が判った<ref name=ref19295602 /> <ref><pubmed>18556515</pubmed></ref> <ref name=ref21423166 />。 | 一方、[[樹状突起]][[スパイン]])の形態を制御する[[アクチン]]の重合を可視化するためのFRETプローブが開発され、アクチンの重合が長期増強現象に伴い引き起こされる事、またそれが長期間維持される事が示された<ref name=ref10 />。その調節の上流にある[[Rho族低分子量Gタンパク質]][[Cdc42]]、[[RhoA]]の活性も同様に維持される事が判った<ref name=ref19295602 /> <ref><pubmed>18556515</pubmed></ref> <ref name=ref21423166 />。 | ||
個体においてもFRET測定法が導入されている。神経回路ネットワークにおける[[シナプス]]の役割を解明する目的で、[[フェレット]]の[[大脳皮質]][[視覚野]]にCaMKIIプローブを発現し、[[片眼剥奪]]によって、神経回路ネットワークに変化を起こした時のCaMKIIの活性化の変化を観測している<ref><pubmed>22160721</pubmed></ref>。また、神経活動をモニターする膜電位プローブを開発し[[マウス]]の[[洞毛]] | 個体においてもFRET測定法が導入されている。神経回路ネットワークにおける[[シナプス]]の役割を解明する目的で、[[フェレット]]の[[大脳皮質]][[視覚野]]にCaMKIIプローブを発現し、[[片眼剥奪]]によって、神経回路ネットワークに変化を起こした時のCaMKIIの活性化の変化を観測している<ref><pubmed>22160721</pubmed></ref>。また、神経活動をモニターする膜電位プローブを開発し[[マウス]]の[[洞毛]](ヒゲ)刺激の投射先である[[体性感覚野]][[バレル皮質]]での入力特異的な神経の活性化を観察している<ref><pubmed>20622860</pubmed></ref>。 | ||
病態との関係では、神経細胞内のカルシウム濃度を測定するために、[[オレゴングリーンBAPTA]]の蛍光寿命の変化から、カルシウム濃度を測定し、[[アストロサイト]]でのカルシウム濃度が、[[アルツハイマー病]]モデル[[マウス]]と正常マウスで異なることが報告されている<ref><pubmed>19251629</pubmed></ref>。 | 病態との関係では、神経細胞内のカルシウム濃度を測定するために、[[オレゴングリーンBAPTA]]の蛍光寿命の変化から、カルシウム濃度を測定し、[[アストロサイト]]でのカルシウム濃度が、[[アルツハイマー病]]モデル[[マウス]]と正常マウスで異なることが報告されている<ref><pubmed>19251629</pubmed></ref>。 | ||
Homo-FRETも応用されている。CaMKIIは12量体を形成しているが、異方性の変化を基に、その構造中に二量体の単位が存在し、活性化に伴う二量体同士の位置関係が変化することが明らかにされている<ref><pubmed>19339497</pubmed></ref>。 | Homo-FRETも応用されている。CaMKIIは12量体を形成しているが、異方性の変化を基に、その構造中に二量体の単位が存在し、活性化に伴う二量体同士の位置関係が変化することが明らかにされている<ref><pubmed>19339497</pubmed></ref>。 | ||
== 将来展望 == | == 将来展望 == |