7
回編集
Tomokokohda (トーク | 投稿記録) 細 (→背景) |
Tomokokohda (トーク | 投稿記録) 細 (→治療) |
||
88行目: | 88行目: | ||
==治療== | ==治療== | ||
治療で最も重要なことは迅速な呼吸管理(気道確保と人工呼吸)である。また、消化管に滞留している内容物中の菌や毒素を体外に排除するために、胃洗浄や浣腸は有効とされている。しかし、大半の患者は便秘のために浣腸によっても排便は困難であることが知られ、特に、乳児ボツリヌス症では糞便中に高濃度の毒素が存在しているため腸粘膜の損傷に注意を払う必要がある。ボツリヌス抗毒素血清による治療は、特に早期治療に有効とされるが、食餌性ボツリヌス症と乳児ボツリヌス症では適応が大きく異なる。食餌性ボツリヌス症では治療用ウマ抗毒素製剤が用いられる。抗毒素治療は、死亡率を低下させるばかりでなく、麻痺などの症状の軽減に有効とされている。一方、乳児ボツリヌス症は死亡率が低く、患者血清中に毒素を証明することが少なく、異種蛋白であるウマ抗毒素の使用を避けるために、一般的には用いられていない。 | |||
発症機序から、乳児ボツリヌス症と創傷性ボツリヌス症は抗生物質投与の対象と考えられる。創傷性ボツリヌス症が多発している米国では抗生物質の投与が推奨されている。乳児ボツリヌス症では抗生物質の投与効果が不明なため、通常は投与されず、二次感染(誤嚥性肺炎など)を併発した場合にのみ投与される。菌の増殖抑制にはペニシリンの投与が有効である。アミノグルコシド系およびマグネシウムを含む浣腸薬は神経—筋障害を増強させる恐れがあるため禁忌である。 | |||
==神経毒素の臨床応用== | ==神経毒素の臨床応用== |
回編集