「ボツリヌス毒素」の版間の差分

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 C3酵素は、C型菌が産生する第3番目の酵素、C3毒素として報告されたが、C3毒素はC1(神経毒素)やC2毒素のような致死活性はないため、C3酵素と呼ばれる。C3酵素の分子レベルの活性は、ADPリボシル化による[[Rhoファミリー低分子量Gタンパク質]]の不活化である<ref name=ref05><pubmed>3805032</pubmed></ref>。
 C3酵素は、C型菌が産生する第3番目の酵素、C3毒素として報告されたが、C3毒素はC1(神経毒素)やC2毒素のような致死活性はないため、C3酵素と呼ばれる。C3酵素の分子レベルの活性は、ADPリボシル化による[[Rhoファミリー低分子量Gタンパク質]]の不活化である<ref name=ref05><pubmed>3805032</pubmed></ref>。
== 生化学的性状 ==
 ボツリヌス菌の生化学的な性状は、産生する毒素型とは無関係で4群に分類することができる。第I群菌には全てのA型菌とタンパク分解性のB、F型菌が属し、最も耐熱性の高い芽胞を形成する。第I群菌とClostridium sprogenesとは毒素産生性以外の性状で区別することは困難である。第II群菌には全てのE型菌とタンパク非分解性のB、 F型菌が属し、比較的易熱性の芽胞を形成する。発育至的温度も最も低い。菌はタンパク分解酵素を欠くため、毒素は毒性が低いか全く毒性のない前駆体の形で産生される。第III群としてC、D型菌が属している。本菌は、増殖に対して酸素許容量が低く、高い嫌気条件を必要とする。C. novyiが極めて類似した性状を示す。第IV群菌に属するG型菌は他の群と異なり、糖非分解性でリパーゼを産生しない。芽胞形成能が低く、また形成された芽胞の大部分は易熱性である。G型菌と遺伝学的に相同性のある菌群に対してC. argentinenseの名称が提唱されている。欧米で発生した乳児ボツリヌス症から分類された菌の中で、C. butyricum、C. baratiiがそれぞれE、F型と非常に類似した毒素を産生することが分かっている。


==臨床症状==
==臨床症状==