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DSM-Ⅳの編集者でもある[[wj:アレン・フランセス|アレン・フランセス]]は、世の中には衝動性があふれていて、ほとんどは精神疾患とはみなされないものであり、衝動制御障害という診断を安易に用いることは避けねばならないと述べている<ref name=ref3>'''アレン・フランセス'''<br>『〈正常〉を救え―精神医学を混乱させるDSM-5への警告』<br>大野裕(監修)、青木創(翻訳)<br>''講談社''、2013年</ref>。 | DSM-Ⅳの編集者でもある[[wj:アレン・フランセス|アレン・フランセス]]は、世の中には衝動性があふれていて、ほとんどは精神疾患とはみなされないものであり、衝動制御障害という診断を安易に用いることは避けねばならないと述べている<ref name=ref3>'''アレン・フランセス'''<br>『〈正常〉を救え―精神医学を混乱させるDSM-5への警告』<br>大野裕(監修)、青木創(翻訳)<br>''講談社''、2013年</ref>。 | ||
== 病態 == | == 病態 == | ||
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間欠性爆発性障害、放火症、窃盗症といった衝動制御障害の治療をおこなうには、まずは患者が自身の問題に気づくことが大切である。自身の行動特性を変えることができるのは自分自身であることを理解し、疾患によってもたらされた自らの問題に正面から向き合ってはじめて治療ははじまる。その際に湧き起こる自責や後悔の念が理解され、支持され、必要に応じた環境調整がおこなわれることが重要であり<ref name=ref13>'''山田 了士'''<br>間歇性爆発性障害<br>''精神科治療学'' 27(6): 699-705、2012</ref>、その構築された治療関係のなかで薬物療法が効果をもたらす。[[気分安定薬]]である[[リチウム]]や[[非定型抗精神病薬]]である[[クロザピン]]は、衝動性の治療に有効であるとされている<ref name=ref14><pubmed>18834309</pubmed></ref> <ref name=ref15><pubmed>14965852</pubmed></ref>。 | 間欠性爆発性障害、放火症、窃盗症といった衝動制御障害の治療をおこなうには、まずは患者が自身の問題に気づくことが大切である。自身の行動特性を変えることができるのは自分自身であることを理解し、疾患によってもたらされた自らの問題に正面から向き合ってはじめて治療ははじまる。その際に湧き起こる自責や後悔の念が理解され、支持され、必要に応じた環境調整がおこなわれることが重要であり<ref name=ref13>'''山田 了士'''<br>間歇性爆発性障害<br>''精神科治療学'' 27(6): 699-705、2012</ref>、その構築された治療関係のなかで薬物療法が効果をもたらす。[[気分安定薬]]である[[リチウム]]や[[非定型抗精神病薬]]である[[クロザピン]]は、衝動性の治療に有効であるとされている<ref name=ref14><pubmed>18834309</pubmed></ref> <ref name=ref15><pubmed>14965852</pubmed></ref>。 | ||
== | ==疫学・予後== | ||
上記の通り、衝動制御障害は、診断分類の輪郭も不明瞭であるため、その疫学や予後についての確実なデータは乏しい。 | |||
==関連項目== | ==関連項目== | ||
*[[衝動性]] | *[[衝動性]] | ||
== 参考文献 == | == 参考文献 == | ||
<references /> | <references /> |