「副嗅覚系」の版間の差分

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=== 視床下部 ===
=== 視床下部 ===
 扁桃体内側部からの線維は視床下部に投射する。視床下部は自律神経系および[[内分泌系]]の最高中枢である。フェロモン情報は、視床下部で[[下垂体刺激ホルモン]]の合成を誘起し、合成されたホルモンは[[正中隆起部]]から分泌され、[[門脈]]と呼ばれる血管系を通じて下垂体に運ばれ、さらに下垂体の内分泌細胞に働きかける。このようにしてフェロモンは内分泌系をコントロールするとともに、視床下部からさらに脳の下位の神経系を制御して特異的行動を引き起こすことになる。一部は自律神経系を動かし様々な自律的な反応([[発汗]]、[[ふるえ]]など)を引き起こす。しかしながら、この機構については不明な点が多い。
 扁桃体内側部からの線維は視床下部に投射する。視床下部は自律神経系および[[内分泌系]]の最高中枢である。フェロモン情報は、視床下部で[[下垂体刺激ホルモン]]の合成を誘起し、合成されたホルモンは[[正中隆起部]]から分泌され、[[下垂体門脈|門脈]]と呼ばれる血管系を通じて下垂体に運ばれ、さらに下垂体の内分泌細胞に働きかける。このようにしてフェロモンは内分泌系をコントロールするとともに、視床下部からさらに脳の下位の神経系を制御して特異的行動を引き起こすことになる。一部は自律神経系を動かし様々な自律的な反応([[発汗]]、[[ふるえ]]など)を引き起こす。しかしながら、この機構については不明な点が多い。


 東京大学農学部の森らの研究により、視床下部には[[生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン]] ([[gonadtropin releasing hormone]]:[[GnRH]]) [[パルスジェネレーター]]と呼ばれる場所があるといわれ、この部位にフェロモン受容のシグナルが伝達されると,此処に局在するニューロン活動が上昇し、この影響で視床下部からのGnRHおよび下垂体からの[[黄体ホルモン]]([[lutenizing hormone]]:[[LH]]) のパルス状分泌の亢進というカスケードを経て,最終的には[[wikipedia:ja:卵巣|卵巣]]からの[[wikipedia:ja:排卵|排卵]]が誘起されることが知られている<ref name=ref7><pubmed> 24583018 </pubmed></ref>。
 東京大学農学部の森らの研究により、視床下部には[[生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン]] ([[gonadtropin releasing hormone]]:[[GnRH]]) [[パルスジェネレーター]]と呼ばれる場所があるといわれ、この部位にフェロモン受容のシグナルが伝達されると,此処に局在するニューロン活動が上昇し、この影響で視床下部からのGnRHおよび下垂体からの[[黄体ホルモン]]([[lutenizing hormone]]:[[LH]]) のパルス状分泌の亢進というカスケードを経て,最終的には[[wikipedia:ja:卵巣|卵巣]]からの[[wikipedia:ja:排卵|排卵]]が誘起されることが知られている<ref name=ref7><pubmed> 24583018 </pubmed></ref>。