「カルシウム指示薬」の版間の差分

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(ページの作成:「<div align="right"> <font size="+1">[http://researchmap.jp/read0118103 中井 淳一]</font><br> ''埼玉大学 脳末梢科学研究センター''<br> DOI:<selfdoi...」)
 
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 カルシウム指示薬とは、主に化学合成された蛍光物質であって、細胞内のカルシウムイオン濃度を測定するために用いられる試薬のことである。細胞内のカルシウムイオンはセカンドメッセンジャーとして働いているのでその動態を知ることは重要である。カルシウム指示薬は細胞内のカルシウムイオンと結合するとその蛍光特性(蛍光強度や波長)が変化するため、蛍光測光により細胞内のカルシウムイオン濃度を測定したり、蛍光イメージングにより可視化することが可能となる。これまでにfura-2やindo-1、fluo-3、rhod-2などカルシウムに対する結合の強さや蛍光波長特性の異なる多数の蛍光カルシウム指示薬が開発されている。カルシウム指示薬はアセトキシメチル(AM)エステル化することにより細胞膜を通過し細胞内に導入することが可能で、これにより簡単に多数の細胞に短時間のうちにカルシウム指示薬を導入することができる。
 カルシウム指示薬とは、主に化学合成された蛍光物質であって、細胞内のカルシウムイオン濃度を測定するために用いられる試薬のことである。細胞内のカルシウムイオンはセカンドメッセンジャーとして働いているのでその動態を知ることは重要である。カルシウム指示薬は細胞内のカルシウムイオンと結合するとその蛍光特性(蛍光強度や波長)が変化するため、蛍光測光により細胞内のカルシウムイオン濃度を測定したり、蛍光イメージングにより可視化することが可能となる。これまでにfura-2やindo-1、fluo-3、rhod-2などカルシウムに対する結合の強さや蛍光波長特性の異なる多数の蛍光カルシウム指示薬が開発されている。カルシウム指示薬はアセトキシメチル(AM)エステル化することにより細胞膜を通過し細胞内に導入することが可能で、これにより簡単に多数の細胞に短時間のうちにカルシウム指示薬を導入することができる。
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[[Image:fura-2.png|thumb|'''図1.fura-2構造'''<br>]]
[[Image:indo-1.png|thumb|'''図2.indo-1構造'''<br>]]
[[Image:fluo-3.png|thumb|'''図3.fluo-3構造'''<br>]]
[[Image:rhod-2.png|thumb|'''図4.rhod-2構造'''<br>]]
[[Image:fura-2spectra.png|thumb|'''図5.fura-2 蛍光スペクトル'''<br>ライフテクノロジーズのHPより許可を得て転載。]]
[[Image:indo-1spectra.png|thumb|'''図6.indo-1 蛍光スペクトル'''<br>ライフテクノロジーズのHPより許可を得て転載。]]
[[Image:fluo-3spectra.png|thumb|'''図7.fluo-3 蛍光スペクトル'''<br>ライフテクノロジーズのHPより許可を得て転載。]]
[[Image:fura-2AM.png|thumb|'''図8  fura-2AM  '''<br>AM体は細胞膜を透過した後細胞内のエステラーゼにより加水分解されることによりカルシウム指示薬として機能する。]]
[[Image:DGAchfluo-3AM.pmg|thumb|'''図9.fluo-3AMを取りこませたマウス歯状回の神経細胞の蛍光イメージング'''<br>マウス脳スライス標本を作成しfluo-3AMを取りこませた後アセチルコリンを投与して刺激した。中井による未発表データー。]]


==カルシウム指示薬==
==カルシウム指示薬==
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 fura-2、fluo-3が緑色の蛍光を発するのに対してrhod-2は蛍光波長の極大が576nmと赤色蛍光を発すると言う点でユニークである。また、fura-2、indo-1、fluo-3のカルシウムイオンの結合解離定数がそれぞれ224nM、250nM、0.4μMとカルシウムイオンに強く結合するのに対して、rhod-2はカルシウムイオンの結合解離定数は0.7μMでありカルシウムイオンとの[[結合親和性]]が低い。そのため1μMを超えるような比較的高濃度のカルシウム濃度の測定に向いている。
 fura-2、fluo-3が緑色の蛍光を発するのに対してrhod-2は蛍光波長の極大が576nmと赤色蛍光を発すると言う点でユニークである。また、fura-2、indo-1、fluo-3のカルシウムイオンの結合解離定数がそれぞれ224nM、250nM、0.4μMとカルシウムイオンに強く結合するのに対して、rhod-2はカルシウムイオンの結合解離定数は0.7μMでありカルシウムイオンとの[[結合親和性]]が低い。そのため1μMを超えるような比較的高濃度のカルシウム濃度の測定に向いている。
[[Image:fura-2.png|thumb|'''図1  fura-2構造'''<br>]]
[[Image:indo-1.png|thumb|'''図2 indo-1構造'''<br>]]
[[Image:fluo-3.png|thumb|'''図3 fluo-3構造'''<br>]]
[[Image:rhod-2.png|thumb|'''図4 rhod-2構造'''<br>]]
[[Image:fura-2spectra.png|thumb|'''図5  fura-2 蛍光スペクトル'''<br>ライフテクノロジーズのHPより許可を得て転載。]]
[[Image:indo-1spectra.png|thumb|'''図6  indo-1 蛍光スペクトル'''<br>ライフテクノロジーズのHPより許可を得て転載。]]
[[Image:fluo-3spectra.png|thumb|'''図7  fluo-3 蛍光スペクトル'''<br>ライフテクノロジーズのHPより許可を得て転載。]]
[[Image:fura-2AM.png|thumb|'''図8  fura-2AM  '''<br>AM体は細胞膜を透過した後細胞内のエステラーゼにより加水分解されることによりカルシウム指示薬として機能する。]]
[[Image:DGAchfluo-3AM.pmg|thumb|'''図9  fluo-3AMを取りこませたマウス歯状回の神経細胞の蛍光イメージング'''<br>マウス脳スライス標本を作成しfluo-3AMを取りこませた後アセチルコリンを投与して刺激した。中井による未発表データー。]]