16,040
回編集
(ページの作成:「<div align="right"> <font size="+1">[http://yakkou.phar.kyushu-u.ac.jp/Member.html 津田 誠]</font><br> ''九州大学大学院薬学研究院 医療薬科学部門...」) |
細編集の要約なし |
||
6行目: | 6行目: | ||
</div> | </div> | ||
英語名: | 英語名: P2 purinergic receptor、Purinoceptor 独:P2 purinerge Rezeptoren 仏:récepteur purinergique P2 | ||
{{box|text= | {{box|text= P2Y受容体は、ATPをリガンドとする細胞表面受容体であり、Gタンパク質共役型受容体である。}} | ||
== | ==P2Y受容体とは== | ||
P2Y受容体は、細胞外の[[プリン]][[ヌクレオチド]]([[ATP]]、[[ADP]])、[[ピリミジン]]ヌクレオチド([[UTP]]、[[UDP]])、[[糖ヌクレオチド]]などを内因性リガンドとする細胞表面[[受容体]]である。7回膜貫通型のGタンパク質共役型受容体 (GPCR)で、8種類(P2Y1、P2Y2、P2Y4、P2Y6、P2Y11〜P2Y14)に分類される。 | |||
P2Y受容体は、同じくプリンヌクレオチドをリガンドとするが[[リガンド依存性イオンチャネル型受容体]]である[[P2X受容体]]、[[アデノシン]]に対する受容体である[[P1受容体]]ファミリーと共に[[プリン受容体]]と呼ばれている<ref name=ref1><pubmed>17429044</pubmed></ref> <ref name=ref2><pubmed>18591979</pubmed></ref>('''表1、2''')。 | |||
なお、本項における受容体の表記は、IUPHAR [http://www.iuphar-db.org/index.jsp 国際薬理学連合]でのデータベース掲載名に従った。 | |||
{| class="wikitable" | {| class="wikitable" | ||
35行目: | 33行目: | ||
|| [[Gタンパク質共役型受容体]] | || [[Gタンパク質共役型受容体]] | ||
|} | |} | ||
編集部にて[[w:Purinergic receptor|Wikipedia]]より翻訳、改変。 | |||
==サブタイプ== | ==サブタイプ== | ||
===P2Y1受容体=== | ===P2Y1受容体=== | ||
P2Y1受容体は主にADPをリガンドとするGq/11共役型の受容体である。生体内で広範に発現し、主に上皮細胞、内皮細胞、血小板、免疫細胞や破骨細胞に発現する。P2Y1受容体欠損マウスを用いた解析から、出血時間の増加やADP誘発の血小板の凝集および血栓形成に異常が見られることから血小板の機能に重要な役割を果たしていると考えられる<ref name=ref68><pubmed>10502826</pubmed></ref> <ref name=ref69><pubmed>10606627</pubmed></ref>。また、中枢神経系において[[視床下部]]におけるP2Y1受容体の発現が食物摂取に関与することが示唆されている<ref name=ref70><pubmed>17067301</pubmed></ref>。P2Y1受容体はA1受容体とヘテロ受容体を形成し<ref name=ref5><pubmed>12417330</pubmed></ref>、海馬ニューロンからのグルタミン酸放出を抑制性に制御している<ref name=ref71><pubmed>12958212</pubmed></ref>。さらに、アストロサイトに発現するP2Y1受容体の活性化により、酸化ストレスによるアストロサイトのダメージが抑制され<ref name=ref72><pubmed>15494980</pubmed></ref>、脳虚血/再灌流時における脳障害も抑制する<ref name=ref73><pubmed>21487414</pubmed></ref>。 | P2Y1受容体は主にADPをリガンドとするGq/11共役型の受容体である。生体内で広範に発現し、主に上皮細胞、内皮細胞、血小板、免疫細胞や破骨細胞に発現する。P2Y1受容体欠損マウスを用いた解析から、出血時間の増加やADP誘発の血小板の凝集および血栓形成に異常が見られることから血小板の機能に重要な役割を果たしていると考えられる<ref name=ref68><pubmed>10502826</pubmed></ref> <ref name=ref69><pubmed>10606627</pubmed></ref>。また、中枢神経系において[[視床下部]]におけるP2Y1受容体の発現が食物摂取に関与することが示唆されている<ref name=ref70><pubmed>17067301</pubmed></ref>。P2Y1受容体はA1受容体とヘテロ受容体を形成し<ref name=ref5><pubmed>12417330</pubmed></ref>、海馬ニューロンからのグルタミン酸放出を抑制性に制御している<ref name=ref71><pubmed>12958212</pubmed></ref>。さらに、アストロサイトに発現するP2Y1受容体の活性化により、酸化ストレスによるアストロサイトのダメージが抑制され<ref name=ref72><pubmed>15494980</pubmed></ref>、脳虚血/再灌流時における脳障害も抑制する<ref name=ref73><pubmed>21487414</pubmed></ref>。 | ||
84行目: | 81行目: | ||
| [[P2RY14|P2RY<sub>14</sub>]] || {{Gene|P2RY14}} || G<sub>i</sub> || [[UDP-glucose]] | | [[P2RY14|P2RY<sub>14</sub>]] || {{Gene|P2RY14}} || G<sub>i</sub> || [[UDP-glucose]] | ||
|} | |} | ||
編集部にて[[w:P2Y purinergic receptor|Wikipedia]]より翻訳、改変。 | |||
== 参考文献 == | == 参考文献 == | ||
<references /> | <references /> |