「P2Y受容体」の版間の差分

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英語名: P2 purinergic receptor、Purinoceptor 独:P2 purinerge Rezeptoren 仏:récepteur purinergique P2
英語名:P2Y purinergic receptor、Purinoceptor 独:P2Y purinerge Rezeptoren 仏:récepteur purinergique P2Y
 
同義語:ATP受容体


{{box|text= P2Y受容体は、ATP、UTPなどのヌクレオチドをリガンドとする細胞表面受容体である。Gタンパク質共役型受容体に属する。}}
{{box|text= P2Y受容体は、ATP、UTPなどのヌクレオチドをリガンドとする細胞表面受容体である。Gタンパク質共役型受容体に属する。}}
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 P2Y受容体は、同じくプリンヌクレオチドをリガンドとするが[[リガンド依存性イオンチャネル型受容体]]である[[P2X受容体]]、[[アデノシン]]に対する受容体である[[P1受容体]]ファミリーと共に[[プリン受容体]]と呼ばれている<ref name=ref1><pubmed>17429044</pubmed></ref> <ref name=ref2><pubmed>18591979</pubmed></ref>('''表1、2''')。
 P2Y受容体は、同じくプリンヌクレオチドをリガンドとするが[[リガンド依存性イオンチャネル型受容体]]である[[P2X受容体]]、[[アデノシン]]に対する受容体である[[P1受容体]]ファミリーと共に[[プリン受容体]]と呼ばれている<ref name=ref1><pubmed>17429044</pubmed></ref> <ref name=ref2><pubmed>18591979</pubmed></ref>('''表1、2''')。


 なお、本項における受容体の表記は、IUPHARでのデータベース掲載名に従った<ref>[http://www.guidetopharmacology.org/GRAC/FamilyDisplayForward?familyId=52 国際薬理学連合 Guide to Pharmacology P2Y受容体]</ref>。
 なお、本項における受容体の表記は、IUPHARでのデータベース掲載名に従った<ref name=ref3>[http://www.guidetopharmacology.org/GRAC/FamilyDisplayForward?familyId=52 国際薬理学連合 Guide to Pharmacology P2Y受容体]</ref>。


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===P2Y<sub>2</sub>受容体===
===P2Y<sub>2</sub>受容体===
 ATPおよび[[UTP]]を内因性リガンドとするGq/G<sub>11</sub>共役型の受容体である。生体内で広範に発現が確認されており、主に免疫細胞、内皮細胞、上皮細胞、[[腎臓]]、[[骨芽細胞]]などで発現している。P2Y<sub>2</sub>受容体欠損マウスの解析から、神経細胞の[[軸索]]伸長や[[分化]]への関与<ref name=ref74><pubmed>16365320</pubmed></ref>や、気道上皮細胞におけるCl<sup>-</sup>の放出への関与が示唆されている<ref name=ref75><pubmed>10473606</pubmed></ref>。炎症時における神経保護作用に関する役割にも注目が集まっている<ref name=ref76><pubmed>22528682</pubmed></ref>。[[マクロファージ]]でのP2Y<sub>2</sub>受容体は、[[アポトーシス]]細胞が放出するATPで刺激され、貪食によるクリアランスに関与する<ref name=ref77><pubmed>19741708</pubmed></ref> <ref name=ref78><pubmed>20664064</pubmed></ref>。現在、P2Y<sub>2</sub>受容体[[作動薬]][[デヌホソル]](Inspire Pharmaceuticals)が[[嚢胞性線維症]]の吸入治療薬として開発されており(フェーズⅢ、USA)<ref name=ref79><pubmed>18276176</pubmed></ref> <ref name=ref80><pubmed>21169471</pubmed></ref>、P2Y<sub>2</sub>受容体の[[遺伝子多型]]の一つが健常人に比べ嚢胞性線維症の患者において高頻度でみられることから、嚢胞性線維症の発症および治療への関与が考えられる<ref name=ref81><pubmed>17559347</pubmed></ref>。さらに、[[ドライアイ]]治療薬としてP2Y<sub>2</sub>受容体作動薬[[ジクアホソルナトリウム]](ジクアス®点眼液3%, 参天製薬)がある。
 ATPおよび[[UTP]]を内因性リガンドとするGq/G<sub>11</sub>共役型の受容体である。生体内で広範に発現が確認されており、主に免疫細胞、内皮細胞、上皮細胞、[[腎臓]]、[[骨芽細胞]]などで発現している。P2Y<sub>2</sub>受容体欠損マウスの解析から、神経細胞の[[軸索]]伸長や[[分化]]への関与<ref name=ref74><pubmed>16365320</pubmed></ref>や、気道上皮細胞におけるCl<sup>-</sup>の放出への関与が示唆されている<ref name=ref75><pubmed>10473606</pubmed></ref>。炎症時における神経保護作用に関する役割にも注目が集まっている<ref name=ref76><pubmed>22528682</pubmed></ref>。[[マクロファージ]]でのP2Y<sub>2</sub>受容体は、[[アポトーシス]]細胞が放出するATPで刺激され、貪食によるクリアランスに関与する<ref name=ref77><pubmed>19741708</pubmed></ref> <ref name=ref78><pubmed>20664064</pubmed></ref>。現在、P2Y<sub>2</sub>受容体[[作動薬]][[デヌホソル]]([[w:Inspire Pharmaceuticals|Inspire Pharmaceuticals]])が[[嚢胞性線維症]]の吸入治療薬として開発されており(フェーズⅢ、USA)<ref name=ref79><pubmed>18276176</pubmed></ref> <ref name=ref80><pubmed>21169471</pubmed></ref>、P2Y<sub>2</sub>受容体の[[遺伝子多型]]の一つが健常人に比べ嚢胞性線維症の患者において高頻度でみられることから、嚢胞性線維症の発症および治療への関与が考えられる<ref name=ref81><pubmed>17559347</pubmed></ref>。さらに、[[ドライアイ]]治療薬としてP2Y<sub>2</sub>受容体作動薬[[ジクアホソルナトリウム]](ジクアス®点眼液3%, [[wj:参天製薬|参天製薬]])がある。


===P2Y<sub>4</sub>受容体===
===P2Y<sub>4</sub>受容体===
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  | [[P2RY14|P2RY<sub>14</sub>]] || {{Gene|P2RY14}}  ||[http://mouse.brain-map.org/experiment/show/100144167 100144167]|| Gi  || UDP ≥ UDP-グルコース||[[MRS2690]]||||[[PPTN]]
  | [[P2RY14|P2RY<sub>14</sub>]] || {{Gene|P2RY14}}  ||[http://mouse.brain-map.org/experiment/show/100144167 100144167]|| Gi  || UDP ≥ UDP-グルコース||[[MRS2690]]||||[[PPTN]]
|}
|}
編集部にて[[w:P2Y purinergic receptor|Wikipedia]]、[http://www.guidetopharmacology.org/GRAC/FamilyDisplayForward?familyId=52 Guide to Pharmacology P2Y受容体のページ]より[[翻訳]]、改変。
編集部にて[[w:P2Y purinergic receptor|Wikipedia]]、<ref name=ref3 />より翻訳、改変。
 
==関連項目==
*[[プリン受容体]]
*[[P1受容体]]
*[[P2X受容体]]


== 参考文献 ==
== 参考文献 ==
<references />
<references />