「Gタンパク質共役型受容体」の版間の差分

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==Gタンパク質共役型受容体==
==Gタンパク質共役型受容体==
<概要>
GPCRは別名7回膜貫通型受容体と言われるように、7つのαへリックス構造が細胞質膜を貫通し、N末端は細胞外にC末端領域は細胞内に位置する。細胞外からの様々なシグナル(神経伝達物質、ホルモン、化学物質、光等)を受容すると、GPCRは構造変化を起こし、三量体Gタンパク質に対してグアニンヌクレオチド交換因子(GEF)として働く。GPCRと結合しGDP型からGTP型へと変換されたGタンパク質は、つづいて効果器の活性を変化させることで、細胞外シグナルが細胞内へと伝達される。現在使用されている薬剤のおよそ40%がGPCRを標的としており、GPCRの機構解明に大きく貢献した Brian K. Kobilka と Robert J. Lefkowitz が2012年にノーベル化学賞を共同受賞した。
GPCRは別名7回膜貫通型受容体と言われるように、7つのαへリックス構造が細胞質膜を貫通し、N末端は細胞外にC末端領域は細胞内に位置する。細胞外からの様々なシグナル(神経伝達物質、ホルモン、化学物質、光等)を受容すると、GPCRは構造変化を起こし、三量体Gタンパク質に対してグアニンヌクレオチド交換因子(GEF)として働く。GPCRと結合しGDP型からGTP型へと変換されたGタンパク質は、つづいて効果器の活性を変化させることで、細胞外シグナルが細胞内へと伝達される。現在使用されている薬剤のおよそ40%がGPCRを標的としており、GPCRの機構解明に大きく貢献した Brian K. Kobilka と Robert J. Lefkowitz が2012年にノーベル化学賞を共同受賞した。


<分類>
=== 分類 ===
ヒトでは800種以上のGPCRが見つかっており、その半数は感覚(嗅覚、味覚、視覚、フェロモン)に対する受容体である。残りの半数の内、3分の2はその他の様々な生理機能(神経系、内分泌系)に関与し、3分の1は生理的なリガンドが不明もしくは機能不明なオーファン受容体 (orphan receptor)である。これまでにアミノ酸配列の相同性によりA-Fまでの6つのクラスに分類されており、クラスAのロドプシン様受容体は全GPCRの85%を占め、ロドプシン、アドレナリン受容体、ムスカリン性アセチルコリン受容体、ペプチド受容体、嗅覚受容体などを含む古典的なGPCRである。クラスA受容体はさらにリガンドの種類によってA1-A19のサブグループに分けられている。
ヒトでは800種以上のGPCRが見つかっており、その半数は感覚(嗅覚、味覚、視覚、フェロモン)に対する受容体である。残りの半数の内、3分の2はその他の様々な生理機能(神経系、内分泌系)に関与し、3分の1は生理的なリガンドが不明もしくは機能不明なオーファン受容体 (orphan receptor)である。これまでにアミノ酸配列の相同性によりA-Fまでの6つのクラスに分類されている。


クラス A: ロドプシン様受容体
===== * クラス A: ロドプシン様受容体 =====
クラス B:  (Secretin receptor family)
全GPCRの85%を占める古典的なGPCRであり、ロドプシン、アドレナリン受容体、ムスカリン性アセチルコリン受容体、ペプチド受容体、嗅覚受容体などを含む。クラスA受容体はさらにリガンドの種類によってA1-A19のサブグループに分けられている。
クラス C:  (Metabotropic glutamate/pheromone)
===== * クラス B:  セクレチン受容体 =====
クラス D:  (Fungal mating pheromone receptors)
===== * クラス C:  代謝型グルタミン酸受容体 =====
クラス E:  (Cyclic AMP receptors)
===== * クラス D:  (Fungal mating pheromone receptors) =====
クラス F: (Frizzled/Smoothened)
===== * クラス E:  cAMP 受容体 =====
 
===== * クラス F: (Frizzled/Smoothened) =====
 
==チロシンキナーゼ受容体==
==グアニル酸シクラーゼ受容体==
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