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[[ファイル:プレキシン基本構造.png|400px|thumb|右|基本構造]] | [[ファイル:プレキシン基本構造.png|400px|thumb|右|基本構造]] | ||
プレキシン分子は1回膜貫通型のタイプI型膜分子であり、アミノ末端よりシグナル配列、sema-domain、3つのMRS(またはPSI-domain)、6つ、あるいは4つのIPT-domain、膜貫通部位、細胞内領域を有する。sema-domainは相互作用分子であるセマフォリン(semaphorin)と類似した構造であり、HGF受容体のc-Metの細胞外領域にも存在する。 MRS (c-Met-related sequence)は、プレキシンとc-Metならびにc-Met-like kinaseと類似した配列として見出された配列で、基本的に8つのCystein残基を含む約50アミノ酸残基からなる配列である。この配列はplexin, semaphorin, integrin(β-integrin)にて認められることから、それぞれの分子の頭文字をとってPSI-domainとも呼ばれている。IPT-domainは、immunoglobulin (Ig)様構造をとると予測されている部位で、nuclear factor of transcription factors (NFAT) ファミリーにも存在することより、IPT (immunoblobulin-like fold shared by plexins and transcription factors)と名付けられている。また、細胞外領域には糖鎖の結合が予測されるN-linked glycosylation部位も複数存在し、糖鎖修飾による活性制御が推定されている。細胞内領域は高度に保存されており、プレキシンファミリー分子間で共通する部位としてGAP-related domainとその中間にhinge-domainが存在する。また、A-type plexin分子には膜貫通部位付近にFERM-domain結合配列が、B-type | プレキシン分子は1回膜貫通型のタイプI型膜分子であり、アミノ末端よりシグナル配列、sema-domain、3つのMRS(またはPSI-domain)、6つ、あるいは4つのIPT-domain、膜貫通部位、細胞内領域を有する。sema-domainは相互作用分子であるセマフォリン(semaphorin)と類似した構造であり、HGF受容体のc-Metの細胞外領域にも存在する。 MRS (c-Met-related sequence)は、プレキシンとc-Metならびにc-Met-like kinaseと類似した配列として見出された配列で、基本的に8つのCystein残基を含む約50アミノ酸残基からなる配列である。この配列はplexin, semaphorin, integrin(β-integrin)にて認められることから、それぞれの分子の頭文字をとってPSI-domainとも呼ばれている。IPT-domainは、immunoglobulin (Ig)様構造をとると予測されている部位で、nuclear factor of transcription factors (NFAT) ファミリーにも存在することより、IPT (immunoblobulin-like fold shared by plexins and transcription factors)と名付けられている。また、細胞外領域には糖鎖の結合が予測されるN-linked glycosylation部位も複数存在し、糖鎖修飾による活性制御が推定されている。細胞内領域は高度に保存されており、プレキシンファミリー分子間で共通する部位としてGAP-related domainとその中間にhinge-domainが存在する。また、A-type plexin分子には膜貫通部位付近にFERM-domain結合配列が、B-type plexin分子には、細胞外膜貫通領域近くにタンパク質切断配列とC末端にPDZ-domain結合配列が存在する。<br /> | ||
主たる相互作用分子であるセマフォリンとは、sema-domain同士を介して結合する。結晶解析により、いずれのsema-domainも7-bladed β—propeller構造をとることが明らかになった。1つのblade(羽根)はA~Dの4つのβシートにより構成される。プレキシン、セマフォリンともに、第1と第2blade間ならびに第5blade中のß5Cとß5D間に、それぞれextrusion 1、extrusion 2とそれぞれ名付けられた突出部位をもつ。これら2つのextrusion、ならびに第3bladeより構成される構造でプレキシンとセマフォリンの結合が制御される。例えば、αヘリック構造からなるextrusion 2には、相互作用に必要なアミノ酸が含まれている(Sema6Aとplexin-A2の場合、それぞれK393と A396)。また、Sema6A—Plexin-A2結合における結晶構造解析より、plexin-A2は、Sema6A非結合時にはリガンド結合部位にてホモフィリックな(同種分子間での)結合様式をとり、一方、Sema6Aの存在下では同様な部位にてSema6A結合すること、すなわち、リガンドの存在、非存在下において結合相手を代えることが明らかとなっている。 | 主たる相互作用分子であるセマフォリンとは、sema-domain同士を介して結合する。結晶解析により、いずれのsema-domainも7-bladed β—propeller構造をとることが明らかになった。1つのblade(羽根)はA~Dの4つのβシートにより構成される。プレキシン、セマフォリンともに、第1と第2blade間ならびに第5blade中のß5Cとß5D間に、それぞれextrusion 1、extrusion 2とそれぞれ名付けられた突出部位をもつ。これら2つのextrusion、ならびに第3bladeより構成される構造でプレキシンとセマフォリンの結合が制御される。例えば、αヘリック構造からなるextrusion 2には、相互作用に必要なアミノ酸が含まれている(Sema6Aとplexin-A2の場合、それぞれK393と A396)。また、Sema6A—Plexin-A2結合における結晶構造解析より、plexin-A2は、Sema6A非結合時にはリガンド結合部位にてホモフィリックな(同種分子間での)結合様式をとり、一方、Sema6Aの存在下では同様な部位にてSema6A結合すること、すなわち、リガンドの存在、非存在下において結合相手を代えることが明らかとなっている。 |
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