31
回編集
Takuyashimazaki (トーク | 投稿記録) 細編集の要約なし |
Takuyashimazaki (トーク | 投稿記録) 細編集の要約なし |
||
5行目: | 5行目: | ||
<br> | <br> | ||
構造 | = 構造<br> = | ||
{{Pfam_box | {{Pfam_box | ||
| Symbol = Pou | | Symbol = Pou | ||
22行目: | 21行目: | ||
| OPM family= | | OPM family= | ||
| OPM protein= | | OPM protein= | ||
}} | }} POUドメインは、保存されていない15-56アミノ酸からなるリンカー配列によって2つのサブドメインに分かれており、N末側の75アミノ酸からなるドメインはPOU特異的ドメイン(POU<sub>S</sub>: POU specific domain)、C末側の60アミノ酸からなるドメインは、ホメオドメインタンパク質スーパーファミリーに共通したDNA結合部位であるホメオドメインと相同性が高く、POUホメオドメイン(POU<sub>H</sub>: POU homeodomain)と名付けられている<ref name="b"><pubmed>7622033</pubmed></ref>。両方のサブドメイン共DNA結合モチーフの一種であるhelix-turn-helix構造をとり、オクタマー配列と呼ばれるDNA配列ATGCAAATに特異的に結合する<ref name="b" />。また、親和性は低いが、それぞれのドメイン単独でDNAに結合することが可能であり、POU<sub>S</sub>は5’側のATGC、POU<sub>H</sub>は3’側のA/Tリッチな配列を認識する<ref><pubmed>8156594</pubmed></ref>。さらに、POUドメインは標的遺伝子の転写調節において結合配列上でのホモ二量体やあるいは他ファミリーメンバーとのヘテロ二量体形成や共役する他因子との結合に必要とされる場合がある<ref><pubmed>9105675</pubmed></ref><ref name="e"><pubmed>11183772</pubmed></ref>。リンカー配列は、2つのドメインの局所的濃度を高め二量体形成やDNA結合能を高めるだけでなく、その長さの違いが両ドメインの相対的な空間配置の自由度の違いを生出し、実際の認識配列の多様性を決定しているようである<ref name="e" /><ref><pubmed>12213595</pubmed></ref>。 | ||
POUドメインは、保存されていない15-56アミノ酸からなるリンカー配列によって2つのサブドメインに分かれており、N末側の75アミノ酸からなるドメインはPOU特異的ドメイン(POU<sub>S</sub>: POU specific domain)、C末側の60アミノ酸からなるドメインは、ホメオドメインタンパク質スーパーファミリーに共通したDNA結合部位であるホメオドメインと相同性が高く、POUホメオドメイン(POU<sub>H</sub>: POU homeodomain)と名付けられている<ref name="b"><pubmed>7622033</pubmed></ref>。両方のサブドメイン共DNA結合モチーフの一種であるhelix-turn-helix構造をとり、オクタマー配列と呼ばれるDNA配列ATGCAAATに特異的に結合する<ref name="b" />。また、親和性は低いが、それぞれのドメイン単独でDNAに結合することが可能であり、POU<sub>S</sub>は5’側のATGC、POU<sub>H</sub>は3’側のA/Tリッチな配列を認識する<ref><pubmed>8156594</pubmed></ref>。さらに、POUドメインは標的遺伝子の転写調節において結合配列上でのホモ二量体やあるいは他ファミリーメンバーとのヘテロ二量体形成や共役する他因子との結合に必要とされる場合がある<ref><pubmed>9105675</pubmed></ref><ref name="e"><pubmed>11183772</pubmed></ref>。リンカー配列は、2つのドメインの局所的濃度を高め二量体形成やDNA結合能を高めるだけでなく、その長さの違いが両ドメインの相対的な空間配置の自由度の違いを生出し、実際の認識配列の多様性を決定しているようである<ref name="e" /><ref><pubmed>12213595</pubmed></ref>。 | |||
<br> | <br> | ||
ファミリーメンバー | = ファミリーメンバー<br> = | ||
POU転写因子は、それぞれのPOUドメインにおけるアミノ酸配列の相同性に基づいてⅠ~Ⅵの6つのクラスに分類される。例として以下にヒトの遺伝子ホモログを列記する。 | POU転写因子は、それぞれのPOUドメインにおけるアミノ酸配列の相同性に基づいてⅠ~Ⅵの6つのクラスに分類される。例として以下にヒトの遺伝子ホモログを列記する。 | ||
37行目: | 33行目: | ||
<br> | <br> | ||
機能 | = 機能<br> = | ||
POU転写因子ファミリーの様々なメンバーの生物学的機能は多岐にわたるが、その多くが個体発生における細胞増殖・分化・移動・生存等や神経内分泌を含めた内分泌系において、そこで必要とされる機能遺伝子の発現制御を行っている<ref><pubmed>9171367</pubmed></ref><ref name="h"><pubmed>11159814</pubmed></ref>。なお、標的遺伝子の発現制御においては、共役因子の違いや発現制御領域の構造によって転写活性化因子としても抑制因子としても働きうる<ref name="h" />。<br><br> | POU転写因子ファミリーの様々なメンバーの生物学的機能は多岐にわたるが、その多くが個体発生における細胞増殖・分化・移動・生存等や神経内分泌を含めた内分泌系において、そこで必要とされる機能遺伝子の発現制御を行っている<ref><pubmed>9171367</pubmed></ref><ref name="h"><pubmed>11159814</pubmed></ref>。なお、標的遺伝子の発現制御においては、共役因子の違いや発現制御領域の構造によって転写活性化因子としても抑制因子としても働きうる<ref name="h" />。<br><br> | ||
参考文献<br> | = 参考文献<br> = | ||
<references /> | <references /> |
回編集