「キネシン」の版間の差分

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==== KIF17  ====
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 KIF17はKinesin-2ファミリーに属し、樹状突起で[[Mint1]](LIN10)を含む足場タンパク質複合体を介してNMDA型グルタミン酸受容体サブユニットのNR2Bに結合し、これを輸送する<ref name="ref34"><pubmed>10846156</pubmed></ref>。また、カーゴの解離には、[[CaMKⅡ]]αによるKIF17の[[リン酸化]]が重要である<ref name="ref35"><pubmed>18066053</pubmed></ref>。近年、遺伝子改変マウスの解析により、KIF17は単にNMDA受容体を輸送するだけでなく、[[wikipedia:ja:転写因子|転写因子]][[CREB]]のリン酸化を介してKIF17及びNR2B mRNAsの転写を促進し、記憶・学習を制御していることが明らかとなった。KIF17を過剰発現させたマウスでは、[[空間記憶|空間]]及び[[作業記憶]]の向上が見られ<ref name="ref36"><pubmed>12391294</pubmed></ref>、一方で、Kif17ホモ欠損マウスでは、[[海馬]]依存的記憶の障害が認められた<ref name="ref37"><pubmed>21521616</pubmed></ref>。また、KIF17はNR2AとNR2Bの発現量を異なる機序で制御し、シナプスの機能や可塑性に重要な働きをしていることが示された<ref name="ref37"><pubmed>21521616</pubmed></ref>。
 KIF17はKinesin-2ファミリーに属し、樹状突起で[[Mint1]](LIN10)を含む足場タンパク質複合体を介してNMDA型グルタミン酸受容体サブユニットのNR2Bに結合し、これを輸送する<ref name="ref34"><pubmed>10846156</pubmed></ref>。また、カーゴの解離には、[[CaMKⅡ]]αによるKIF17の[[リン酸化]]が重要である<ref name="ref35"><pubmed>18066053</pubmed></ref>。近年、遺伝子改変マウスの解析により、KIF17は単にNMDA受容体を輸送するだけでなく、[[転写因子]][[CREB]]のリン酸化を介してKIF17及びNR2B mRNAsの転写を促進し、記憶・学習を制御していることが明らかとなった。KIF17を過剰発現させたマウスでは、[[空間記憶|空間]]及び[[作業記憶]]の向上が見られ<ref name="ref36"><pubmed>12391294</pubmed></ref>、一方で、Kif17ホモ欠損マウスでは、[[海馬]]依存的記憶の障害が認められた<ref name="ref37"><pubmed>21521616</pubmed></ref>。また、KIF17はNR2AとNR2Bの発現量を異なる機序で制御し、シナプスの機能や可塑性に重要な働きをしていることが示された<ref name="ref37"><pubmed>21521616</pubmed></ref>。


==== KIF26A  ====
==== KIF26A  ====