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栗木 一郎 | <div align="right"> | ||
東北大学電気通信研究所知覚脳機能研究分野 | <font size="+1">[https://researchmap.jp/colorandbrain/ 栗木 一郎]</font><br> | ||
''東北大学電気通信研究所知覚脳機能研究分野''<br> | |||
DOI:<selfdoi /> 原稿受付日:2018年10月31日 原稿完成日:2018年11月XX日<br> | |||
担当編集委員:[http://researchmap.jp/ichirofujita 藤田 一郎](大阪大学 大学院生命機能研究科)<br> | |||
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英語名:color vision, colour vision 独:Farbwahrnehmung 仏:vision des couleurs | 英語名:color vision, colour vision 独:Farbwahrnehmung 仏:vision des couleurs | ||
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<math> E_{L,M,S}=\int\limits_{\text{λ1}}^{\text{λ2}}I(\text{λ})S_{L,M,S}(\text{λ})d\text{λ}</math> (式1) | <math> E_{L,M,S}=\int\limits_{\text{λ1}}^{\text{λ2}}I(\text{λ})S_{L,M,S}(\text{λ})d\text{λ}</math> (式1) | ||
ここで、''E<sub>L,M,S</sub>''は長波長・中波長・短波長に感度ピークを持つ3錐体(L-, M-, S錐体)の活動量、''I(λ)''は錐体に入射する光、''S<sub>L,M,S</sub>(λ)''は3錐体の各々の分光感度を示している。この視物質が光を吸収し錐体応答が生じる過程において波長の情報は失われる。そのため、スペクトルが異なる光でも錐体応答が同じであれば、ヒトには同じ色に知覚される(条件等色)。 | |||
一方で、色に関する情報は3錐体の応答の違いとして残存する。例えば、緑から赤にかけて色が変化する波長領域(500-700nm)の単色光に対しては、長波長に感度ピークを持つL錐体と中波長に感度ピークを持つM錐体が非常に拮抗した応答を示すのに対し、短波長に感度ピークを持つS錐体が弱く応答する。いま仮に、無色に見える光('''図4'''の原点)に対するL錐体とM錐体の応答を基準に考えてみる。 | 一方で、色に関する情報は3錐体の応答の違いとして残存する。例えば、緑から赤にかけて色が変化する波長領域(500-700nm)の単色光に対しては、長波長に感度ピークを持つL錐体と中波長に感度ピークを持つM錐体が非常に拮抗した応答を示すのに対し、短波長に感度ピークを持つS錐体が弱く応答する。いま仮に、無色に見える光('''図4'''の原点)に対するL錐体とM錐体の応答を基準に考えてみる。 | ||
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==関連項目== | ==関連項目== | ||
*[[ | *[[色選択性細胞]] | ||
*[[色の見え]] | *[[色の見え]] | ||
*[[色恒常性]] | *[[色恒常性]] |