「Aδ線維とC線維」の版間の差分

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|+'''表1.神経線維の分類'''<ref name="ref1">'''Eric R. Kandel et al.'''<br>Principles of neural science fifth edition 475-480</ref>  
|+'''表1.神経線維の分類'''<ref name="Kandel">'''Eric R. Kandel et al.'''<br>Principles of neural science fifth edition 475-480</ref>  
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=== Aδ線維  ===
=== Aδ線維  ===


 感覚性の細い[[有髄神経]]であり、筋からの求心性感覚神経線維についてはIII群線維ともいう<ref name="ref1"><[[pubmed]]>18865009</pubmed></ref>。  
 感覚性の細い[[有髄神経]]であり、筋からの求心性感覚神経線維についてはIII群線維ともいう<ref name="ref1"><pubmed>18865009</pubmed></ref>。  


 伝導速度は大型の動物では2.5-3 m/sから25-30 m/s、[[wikipedia:ja:ラット|ラット]]では1.3-2m/sから12-20 m/s<ref name="ref2"><pubmed>1770443</pubmed></ref><ref name="ref3"><pubmed>1770437</pubmed></ref>である。
 伝導速度は大型の動物では2.5-3 m/sから25-30 m/s、[[wj:ラット|ラット]]では1.3-2m/sから12-20 m/s<ref name="ref2"><pubmed>1770443</pubmed></ref><ref name="ref3"><pubmed>1770437</pubmed></ref>である。


=== C線維  ===
=== C線維  ===
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=== 感覚受容  ===
=== 感覚受容  ===


 感覚受容器は種々の[[wikipedia:ja:エネルギー|エネルギー]]([[wikipedia:ja:熱エネルギー|熱エネルギー]]、[[wikipedia:ja:機械エネルギー|機械エネルギー]]、[[wikipedia:ja:化学エネルギー|化学エネルギー]])を電気的な神経の信号([[脱分極]])、さらには[[活動電位]])に変換して、情報を[[中枢神経]]に送る。  
 感覚受容器は種々の[[wj:エネルギー|エネルギー]]([[wj:熱エネルギー|熱エネルギー]]、[[wj:機械エネルギー|機械エネルギー]]、[[wj:化学エネルギー|化学エネルギー]])を電気的な神経の信号([[脱分極]])、さらには[[活動電位]])に変換して、情報を[[中枢神経]]に送る。  


 Aδ線維終末には[[痛み]]および[[冷感覚]]情報を伝える感覚受容器(それぞれ[[侵害受容器]]、[[冷受容器]])がある。ただし、ラットでは冷受容器は主として後述のC線維である。 C線維は痛み感覚を伝えていると一般には考えられているが、痛み感覚ばかりではなく、[[痒み]]感覚、快感を起こすような(sensual)[[触感覚]]、[[温感覚]](ラットでは冷感覚も)も伝えている。Aδ線維の受容器もC線維の受容器も感覚終末は特別な小体構造を造らない[[自由神経終末]]である。つまり、それら終末はそれぞれそれらの受容器(それぞれ侵害受容器、[[C線維低閾値機械受容器]]、[[温受容器]])となっている。侵害受容器には熱にも機械刺激にも反応する[[侵害受容器|ポリモーダル(侵害)受容器]]、機械刺激にのみ反応する[[機械侵害受容器]]、機械刺激に反応せず熱刺激にのみ反応する[[熱侵害受容器]]、正常な組織では活動しておらず炎症時などで活動する[[非活動性侵害受容器]]等がある、後者の2つはC線維のみに存在する('''表2''')。痒み感覚の受容器には、[[ポリモーダルタイプ]](痒み物質のもならず機械刺激、熱刺激にも反応する)のものと、痒み物質にのみ特異的に反応する[[化学受容器]]タイプとがある。  
 Aδ線維終末には[[痛み]]および[[冷感覚]]情報を伝える感覚受容器(それぞれ[[侵害受容器]]、[[冷受容器]])がある。ただし、ラットでは冷受容器は主として後述のC線維である。 C線維は痛み感覚を伝えていると一般には考えられているが、痛み感覚ばかりではなく、[[痒み]]感覚、快感を起こすような(sensual)[[触感覚]]、[[温感覚]](ラットでは冷感覚も)も伝えている。Aδ線維の受容器もC線維の受容器も感覚終末は特別な小体構造を造らない[[自由神経終末]]である。つまり、それら終末はそれぞれそれらの受容器(それぞれ侵害受容器、[[C線維低閾値機械受容器]]、[[温受容器]])となっている。侵害受容器には熱にも機械刺激にも反応する[[侵害受容器|ポリモーダル(侵害)受容器]]、機械刺激にのみ反応する[[機械侵害受容器]]、機械刺激に反応せず熱刺激にのみ反応する[[熱侵害受容器]]、正常な組織では活動しておらず炎症時などで活動する[[非活動性侵害受容器]]等がある、後者の2つはC線維のみに存在する('''表2''')。痒み感覚の受容器には、[[ポリモーダルタイプ]](痒み物質のもならず機械刺激、熱刺激にも反応する)のものと、痒み物質にのみ特異的に反応する[[化学受容器]]タイプとがある。