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[[ファイル:Kurako Fig2.jpg|サムネイル|'''図2. 神経突起自己回避の解析モデルニューロン'''<br>ショウジョウバエ感覚ニューロン'''(A)'''、マウス網膜アマクリン細胞'''(B)'''、マウス小脳プルキンエ細胞'''(C)'''は高度に分岐した樹状突起をもつがそれらはなるべく交錯を回避した構造をとる。様々の細胞表面分子、あるいはその制御因子の欠失によって著しい自己交錯が起こる。]] | [[ファイル:Kurako Fig2.jpg|サムネイル|'''図2. 神経突起自己回避の解析モデルニューロン'''<br>ショウジョウバエ感覚ニューロン'''(A)'''、マウス網膜アマクリン細胞'''(B)'''、マウス小脳プルキンエ細胞'''(C)'''は高度に分岐した樹状突起をもつがそれらはなるべく交錯を回避した構造をとる。様々の細胞表面分子、あるいはその制御因子の欠失によって著しい自己交錯が起こる。]] | ||
初期の形態学的な研究では、ヒルの感覚ニューロンやネコの網膜ニューロンがモデルとして解析された。その後、遺伝学や分子生物学的解析法の発展に伴い、神経突起自己回避の研究も分子機構に迫る研究が展開され、現在に至っている。 | |||
無脊椎動物では神経突起自己回避の研究のほとんどは、ショウジョウバエの''dendritic arborization'' (''da'') 感覚ニューロンと線虫のPVD侵害受容感覚ニューロンをモデルとして、遺伝学を駆使した変異体解析が行われてきた。 | |||
一方、脊椎動物では、マウスの網膜ニューロン、特に網膜神経節細胞とアマクリン細胞の樹状突起を中心に多くの研究が行われてきた。最近は、高度に分岐した単層平面構造の樹状突起をもつ小脳プルキンエ細胞での研究も進められている。いずれのモデルニューロンも自己回避機構によって大きく広がった樹状突起が空間を効率的にカバーする構造をとる。これら以外のニューロンも基本的に自己の神経突起の接触を回避した構造をもつことから、神経突起の自己回避は保存された普遍的なシステムであると考えられる。 | |||
== 制御する分子群 == | == 制御する分子群 == |