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英略称:MG | 英略称:MG | ||
{{box|text= | {{box|text= 重症筋無力症はシナプス後膜の標的抗原に対する自己抗体の作用によって神経筋伝達が障害される自己免疫疾患である。成人発症重症筋無力症の臨床病型は大きく眼筋型と全身型に分けられ、重症筋無力症症状、病原性自己抗体、神経筋接合部障害を明らかにする臨床検査の組み合わせで診断される。重症筋無力症症状の評価や治療効果に判定には、MG-ADLやQMGなど複数の評価方法が用いられている。眼筋型重症筋無力症と全身型重症筋無力症では治療方針が異なり、全身型重症筋無力症では早期から積極的に免疫療法を行い、重症筋無力症症状をできるだけ早期に改善し、経口ステロイド薬を少量にとどめる治療方針が推奨されている。しかしながら、現行の免疫治療の組み合わせでは治療目標に到達しない症例が存在するため、モノクローナル抗体製剤を中心とした臨床治験が進められている。}} | ||
== はじめに == | == はじめに == | ||
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== 治療 == | == 治療 == | ||
=== 成人発症眼筋型重症筋無力症 === | === 成人発症眼筋型重症筋無力症 === | ||
眼筋型重症筋無力症の免疫療法は有効と思われるが、確立された免疫療法はない。日常生活動作に支障をきたしている外眼筋麻痺に対して、経口ステロイド療法よりも[[ステロイドパルス療法]]の方が効果発現が早いとする報告がある<ref name=Ozawa2019><pubmed>31100651</pubmed></ref>。複視がなく、眼瞼下垂だけを治療する場合は[[ナファゾリン]]点眼が有効であることがある<ref name=Nagane2011><pubmed>21491460</pubmed></ref>。[[α2アドレナリン受容体]][刺激薬]]であるナファゾリン点眼は、[[ミュラー筋]]の収縮を増強することによって眼瞼下垂を改善すると考えられている。眼瞼下垂に対する抗コリンエステラーゼ薬の効果は限定的で、その一つである[[ピリドスチグミン]]の有効率は20-50%である<ref name=Evoli2001><pubmed>11257479</pubmed></ref>。薬物治療に反応しない場合は、[[眼瞼挙上術]]の適応となることがある<ref name=Shimizu2014>'''Shimizu Y, Suzuki S, Nagasao T, et al. (2014).'''<br>Surgical treatment for myasthenic blefaroptosis. Clin. Ophthalmol 8: 1859-67.</ref>。 | 眼筋型重症筋無力症の免疫療法は有効と思われるが、確立された免疫療法はない。日常生活動作に支障をきたしている外眼筋麻痺に対して、経口ステロイド療法よりも[[ステロイドパルス療法]]の方が効果発現が早いとする報告がある<ref name=Ozawa2019><pubmed>31100651</pubmed></ref>。複視がなく、眼瞼下垂だけを治療する場合は[[ナファゾリン]]点眼が有効であることがある<ref name=Nagane2011><pubmed>21491460</pubmed></ref>。[[α2アドレナリン受容体]][[刺激薬]]であるナファゾリン点眼は、[[ミュラー筋]]の収縮を増強することによって眼瞼下垂を改善すると考えられている。眼瞼下垂に対する抗コリンエステラーゼ薬の効果は限定的で、その一つである[[ピリドスチグミン]]の有効率は20-50%である<ref name=Evoli2001><pubmed>11257479</pubmed></ref>。薬物治療に反応しない場合は、[[眼瞼挙上術]]の適応となることがある<ref name=Shimizu2014>'''Shimizu Y, Suzuki S, Nagasao T, et al. (2014).'''<br>Surgical treatment for myasthenic blefaroptosis. Clin. Ophthalmol 8: 1859-67.</ref>。 | ||
=== 成人発症全身型重症筋無力症 === | === 成人発症全身型重症筋無力症 === | ||