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Yusukemoriguchi (トーク | 投稿記録) 細編集の要約なし |
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<br>行動経済学におけるセルフコントロール(「時間割引」なども参照)<br> 行動経済学においては,上述のような衝動的行動がなぜ起きるのかについて,時間割引問題(time discounting)として研究が進められている.時間割引とは,ある報酬について,現在の報酬価値と比べた際に,遅延とともに報酬価値が割引されることを指し,単位時間当たりの割引率を時間割引率という<ref><pubmed> 15367080 </pubmed></ref>.従来の経済学モデルではどの時点でも割引率は一定であり,例えば,現在から2日後の報酬の割引率と,5年後と5年と2日後の割引率は同じことなる.一方,行動経済学では,双極割引というモデルで説明する.双極割引モデルによると,現在に近い異時点間選択ほど割引率が高いという特徴を持つ.つまり,現在から2日後の報酬の割引率は,5年後と5年と2日後の割引率に比べて大きいということになる.この双極割引は以下の関数で表現される. | <br>行動経済学におけるセルフコントロール(「時間割引」なども参照)<br> 行動経済学においては,上述のような衝動的行動がなぜ起きるのかについて,時間割引問題(time discounting)として研究が進められている.時間割引とは,ある報酬について,現在の報酬価値と比べた際に,遅延とともに報酬価値が割引されることを指し,単位時間当たりの割引率を時間割引率という<ref><pubmed> 15367080 </pubmed></ref>.従来の経済学モデルではどの時点でも割引率は一定であり,例えば,現在から2日後の報酬の割引率と,5年後と5年と2日後の割引率は同じことなる.一方,行動経済学では,双極割引というモデルで説明する.双極割引モデルによると,現在に近い異時点間選択ほど割引率が高いという特徴を持つ.つまり,現在から2日後の報酬の割引率は,5年後と5年と2日後の割引率に比べて大きいということになる.この双極割引は以下の関数で表現される. | ||
''<span class="texhtml" />''d''(''t'') = 1 / (1 + ''k''''t'')''<br>'''但し,d(t)は遅延期間t後の報酬の価値,kは時間割引率<br> | ''<span class="texhtml" />''d''(''t'') = 1 / (1 + ''k''''t'')''<br>'''但し,d(t)は遅延期間t後の報酬の価値,kは時間割引率<br> また,Laibsonなどによって,提唱されている準双極割引モデルがある.このモデルは指数関数的な割引率と直近効果を組み合わせた離散的なモデルである.このモデルによれば,遅延時間が0,つまり意思決定時だけが特別で,この時点で得られる報酬は割引されないが,それ以外の時点では等しい割引率が適用されることになる.つまり,現在と2日後の報酬の割引率は,10日後から12日後の割引率や,5年後と5年と2日後の割引率よりも大きいが,後者2つの割引率は同じということになる.このモデルは以下の関数で表現される. | ||
''<span class="texhtml" />''d''(0) = 1''d''(''t'') = ''t''(''t''> 0)''<br>但し,βは直近の報酬に付与される特別な値でδは指数関数的な割引率 | ''<span class="texhtml" />''d''(0) = 1''d''(''t'') = ''t''(''t''> 0)''<br>但し,βは直近の報酬に付与される特別な値でδは指数関数的な割引率 |
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