「ドリフト拡散モデル」の版間の差分

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ドリフト拡散モデルのパラメータの推定値を利用して,選択に関するプロセスの個人差に影響する要因も検討されている。代表的な事例は加齢の効果であり,例えば高齢者は一般に多くの認知課題において反応が遅くなることが示されているが,ドリフト拡散モデルを適用して検討した研究では,高齢者は長い非決定時間,そして境界の間隔が大きいという特徴はあるものの,ドリフト率は若年者と比べても小さくはないということが報告されている<ref><pubmed>19962693</pubmed></ref>。
ドリフト拡散モデルのパラメータの推定値を利用して,選択に関するプロセスの個人差に影響する要因も検討されている。代表的な事例は加齢の効果であり,例えば高齢者は一般に多くの認知課題において反応が遅くなることが示されているが,ドリフト拡散モデルを適用して検討した研究では,高齢者は長い非決定時間,そして境界の間隔が大きいという特徴はあるものの,ドリフト率は若年者と比べても小さくはないということが報告されている<ref><pubmed>19962693</pubmed></ref>。


一方で,幼児では境界分離が大きく,非決定時間が長いことに加え,ドリフト率も比較的小さいことが示されている<ref><pubmed>22188547</pubmed></ref>。また,注意欠如・多動症 (ADHD) や読字障害 (dyslexic) を有する若年者はそうでない統制群に比べ,ドリフト率が低い傾向があることを示した研究もある<ref><pubmed>20926067</pubmed></ref><ref><pubmed>22010894</pubmed></ref>。
一方で,幼児では境界分離が大きく,非決定時間が長いことに加え,ドリフト率も比較的小さいことが示されている<ref><pubmed>22188547</pubmed></ref>。また,注意欠如・多動症 (ADHD) や読字障害 ( dyslexia) を有する若年者はそうでない統制群に比べ,ドリフト率が低い傾向があることを示した研究もある<ref><pubmed>20926067</pubmed></ref><ref><pubmed>22010894</pubmed></ref>。
一般知能 (IQ) との関係に関しては,高IQ群は低IQ群よりドリフト率が2倍程度高いという結果が報告されている <ref><pubmed>19962693</pubmed></ref> <ref><pubmed>21707207</pubmed></ref> 。
一般知能 (IQ) との関係に関しては,高IQ群は低IQ群よりドリフト率が2倍程度高いという結果が報告されている <ref><pubmed>19962693</pubmed></ref> <ref><pubmed>21707207</pubmed></ref> 。


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