「内側視索前野」の版間の差分

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 内側視索前野には複数の細胞集積が認められるが、視床下部の「核」と異なり、必ずしも境界は鮮明ではない。中央部に位置する性的二型核 (Gorskiの命名<ref name=Gorski1978><pubmed>656937</pubmed></ref>によるsexually dimorphic nucleus of the preoptic area, SDN-POA)はニッスル染色で比較的鮮明に描出され、ラットでは雄が雌より多数のニューロンを擁する<ref name=Orikasa2002><pubmed>11854469</pubmed></ref>。この核はハムスター、フェレット、テンジクネズミ、ヒツジ、サル、ヒトで認められ<ref name=Orikasa2010><pubmed>20593361</pubmed></ref>、長年にわたりマウスではこの核が存在しないとする主張<ref name=Young1982><pubmed>7093678</pubmed></ref>は、カルビンディン28k を標識タンパクとして用いて2010年に複数の系統で反駁・立証された<ref name=Orikasa2010></ref>。
 内側視索前野には複数の細胞集積が認められるが、視床下部の「核」と異なり、必ずしも境界は鮮明ではない。中央部に位置する性的二型核 (Gorskiの命名<ref name=Gorski1978><pubmed>656937</pubmed></ref>によるsexually dimorphic nucleus of the preoptic area, SDN-POA)はニッスル染色で比較的鮮明に描出され、ラットでは雄が雌より多数のニューロンを擁する<ref name=Orikasa2002><pubmed>11854469</pubmed></ref>。この核はハムスター、フェレット、テンジクネズミ、ヒツジ、サル、ヒトで認められ<ref name=Orikasa2010><pubmed>20593361</pubmed></ref>、長年にわたりマウスではこの核が存在しないとする主張<ref name=Young1982><pubmed>7093678</pubmed></ref>は、カルビンディン28k を標識タンパクとして用いて2010年に複数の系統で反駁・立証された<ref name=Orikasa2010></ref>。


 その他の細胞集積には、第3脳室に接する傍室部で吻側から終板器官、前腹側傍室核、腹内側視索前野核、正中視索前核、傍室視索前核などが同定されている。内側部では内側視索前核が中心部に大きな体積を占め、そのほかに傍分界条核、後背側視索前核、腹外側視索前核、中隔視床下部核といった細胞集積がある。マウス内側視索前野前額断の概要は[http://connectivity.brain-map.org/static/referencedata Allen Brain Atlas (2004)]に見ることができる。
 その他の細胞集積には、第3脳室に接する傍室部で吻側から終板器官、前腹側傍室核、腹内側視索前野核、正中視索前核、傍室視索前核などが同定されている。内側部では内側視索前核が中心部に大きな体積を占め、そのほかに傍分界条核、後背側視索前核、腹外側視索前核、中隔視床下部核といった細胞集積がある。マウス内側視索前野前額断の概要はAllen Brain Atlas<ref name=Allan2004>[https://mouse.brain-map.org/static/atlas Allen Brain Atlas]</ref>に見ることができる。




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