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=== 内容による記憶の分類 === | === 内容による記憶の分類 === | ||
自分の経験として思い出すことのできる記憶を[[顕在記憶]](explicit memory)、そうでないものを[[潜在記憶]](implicit memory)とよぶ。エピソード記憶(episodic memory)とは、特定の時と場所で学習された記憶で、いつ、どこで、何をしたか・何があったかという個人史・社会的記憶のことである。その記憶や知識を有していることを本人が意識し、意図的にアクセスすることができるため、顕在記憶に属する。 | |||
[[意味記憶]](semantic memory)は、単語や数字、物事の概念など一般的な知識に関する記憶である。エピソード記憶は“覚えている”という状態であるのに対し、意味記憶は“知っている”という表現に相当する。エピソード記憶と意味記憶は、本人が何らかの形で言葉やイメージで表すことができるため、両者を合わせて[[陳述記憶]](declarative memory, 宣言的記憶ともいう)と呼ぶ。 | [[意味記憶]](semantic memory)は、単語や数字、物事の概念など一般的な知識に関する記憶である。エピソード記憶は“覚えている”という状態であるのに対し、意味記憶は“知っている”という表現に相当する。エピソード記憶と意味記憶は、本人が何らかの形で言葉やイメージで表すことができるため、両者を合わせて[[陳述記憶]](declarative memory, 宣言的記憶ともいう)と呼ぶ。 | ||
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[[古典的条件付け]](classical conditioning)とは、[[パブロフの犬]]に代表される記憶に基づく生理反応である。 | [[古典的条件付け]](classical conditioning)とは、[[パブロフの犬]]に代表される記憶に基づく生理反応である。 | ||
手続き記憶、プライミング、古典的条件付けは、言葉やイメージで表すことができないため[[非陳述記憶(non-declarative memory, 非宣言的記憶)と呼ばれる。またこれら3つと意味記憶は、それらを有していることを本人は自覚できないため潜在記憶に属している。]] | 手続き記憶、プライミング、古典的条件付けは、言葉やイメージで表すことができないため[[非陳述記憶]](non-declarative memory, 非宣言的記憶)と呼ばれる。またこれら3つと意味記憶は、それらを有していることを本人は自覚できないため潜在記憶に属している。]] | ||
健忘患者では一般に、エピソード記憶の障害が目立つが、潜在記憶の障害は目立たない。特に手続き記憶は、重度の健忘患者でも保たれている。[[神経変性疾患]] | 健忘患者では一般に、エピソード記憶の障害が目立つが、潜在記憶の障害は目立たない。特に手続き記憶は、重度の健忘患者でも保たれている。[[神経変性疾患]]のなかには、初期に意味記憶だけが顕著に障害されることがあり、[[意味性認知症]](semantic dementia)と総称される。手続き記憶には、[[小脳]]や[[大脳基底核]]が関与しており、[[パーキンソン病]]や[[脊髄小脳変性症]]、[[ハンチントン病]]などで低下すると報告されている<ref name=ref9>'''望月寛子'''<br>手続き記憶の神経基盤<br>''Brain and Nerve'', 60: 825-832, 2008.</ref> 。 | ||
== 健忘症候群を来す主な疾患 == | == 健忘症候群を来す主な疾患 == |