「RNA結合タンパク質」の版間の差分

編集の要約なし
 
48行目: 48行目:
 病態解明の鍵を握るRNA結合タンパク質研究であるが、今後1542種あるRNA結合タンパク質の中からも新たな創薬の標的が発見されることが期待される。
 病態解明の鍵を握るRNA結合タンパク質研究であるが、今後1542種あるRNA結合タンパク質の中からも新たな創薬の標的が発見されることが期待される。


 [[脊髄性筋萎縮症]]([[SMA]])は、1万人に1人程度の割合で新生児に発症する[[運動ニューロン病]]の一つであり、原因遺伝子[[SMN]]([[survival motor neuron]])の[[常染色体性劣性遺伝]]を示す神経難病である。SMN遺伝子には、相同遺伝子の[[SMN2]]が存在することから、SMN2の選択的スプライシングスイッチをする核酸アンチセンスオリゴヌクレオチドを用いることで、SMN2タンパク質の合成量を増加させ、SMNタンパク質の減少を補う方法で[[モデル動物]]を用いた実験で有効性が実証された<ref name=ref16><pubmed>21979052</pubmed></ref>。これは、ある種のRNA結合タンパク質-RNA相互作用を直接、核酸が抑えることで、スプライシングを制御するものだが、さらに簡便な小分子化合物の経口投与によってSMN2のスプライシング制御が可能であることが発見されるなど、急速に疾患治療へ向け進みつつある<ref name=ref17><pubmed>25104390</pubmed></ref>。
 [[脊髄性筋萎縮症]]([[脊髄性筋萎縮症|SMA]])は、1万人に1人程度の割合で新生児に発症する[[運動ニューロン病]]の一つであり、原因遺伝子[[SMN]]([[survival motor neuron]])の[[常染色体性劣性遺伝]]を示す神経難病である。SMN遺伝子には、相同遺伝子の[[SMN2]]が存在することから、SMN2の選択的スプライシングスイッチをする核酸アンチセンスオリゴヌクレオチドを用いることで、SMN2タンパク質の合成量を増加させ、SMNタンパク質の減少を補う方法で[[モデル動物]]を用いた実験で有効性が実証された<ref name=ref16><pubmed>21979052</pubmed></ref>。これは、ある種のRNA結合タンパク質-RNA相互作用を直接、核酸が抑えることで、スプライシングを制御するものだが、さらに簡便な小分子化合物の経口投与によってSMN2のスプライシング制御が可能であることが発見されるなど、急速に疾患治療へ向け進みつつある<ref name=ref17><pubmed>25104390</pubmed></ref>。


== 解析技術 ==
== 解析技術 ==