「錯覚」の版間の差分

192 バイト追加 、 2023年7月22日 (土)
編集の要約なし
編集の要約なし
編集の要約なし
24行目: 24行目:
 幾何学的錯視(geometric illusion)とは形の次元の錯視のことで、大きさの錯視(size illusion)、位置の錯視(misalignment illusion)、傾きの錯視(tilt illusion あるいは orientation illusion)に分けられる。図1に、古典的な幾何学的錯視を示した。ミュラー=リヤー錯視、エビングハウス錯視、ポンゾ錯視は大きさの錯視である。ポッゲンドルフ錯視は位置の錯視である。ツェルナー錯視、へリング錯視、ミュンスターベルク錯視(カフェウォール錯視)、フレーザー錯視、フレーザーの渦巻き錯視は傾きの錯視である。出たばかりの月は大きく見える月の錯視(moon illusion)<ref>天体錯視ともいう。</ref><ref>ヘレン・ロス、コーネリス・プラグ(著)、東山篤規(訳) (2014). 月の錯視 なぜ大きく見えるのか 勁草書房</ref>は古くから知られる幾何学的錯視である。
 幾何学的錯視(geometric illusion)とは形の次元の錯視のことで、大きさの錯視(size illusion)、位置の錯視(misalignment illusion)、傾きの錯視(tilt illusion あるいは orientation illusion)に分けられる。図1に、古典的な幾何学的錯視を示した。ミュラー=リヤー錯視、エビングハウス錯視、ポンゾ錯視は大きさの錯視である。ポッゲンドルフ錯視は位置の錯視である。ツェルナー錯視、へリング錯視、ミュンスターベルク錯視(カフェウォール錯視)、フレーザー錯視、フレーザーの渦巻き錯視は傾きの錯視である。出たばかりの月は大きく見える月の錯視(moon illusion)<ref>天体錯視ともいう。</ref><ref>ヘレン・ロス、コーネリス・プラグ(著)、東山篤規(訳) (2014). 月の錯視 なぜ大きく見えるのか 勁草書房</ref>は古くから知られる幾何学的錯視である。


 明るさの錯視(lightness illusion あるいは brightness illusion)は、明るさの対比(英語では simultaneous brightness contrast と表現する。それに合わせると、同時的明るさ対比となる)と明るさの同化(lightness assimilation あるいは brightness assimilation)の二項対立で記述されてきたが、ホワイト効果(White's effect)のようにどちらの性質も有する錯視もある。明るさの対比的な錯視としては、チェッカーシャドー錯視(checker shadow illusion)や縞誘導(grating induction)がある。
 明るさの錯視(lightness illusion あるいは brightness illusion)には、明るさの対比(英語では simultaneous brightness contrast と表現する。それに合わせると、同時的明るさ対比である)と明るさの同化(lightness assimilation あるいは brightness assimilation)がある。ホワイト効果(White's effect)<ref>White, M. (1979). A new effect of pattern on perceived lightness. Perception, 8, 413–416.</ref><ref>Todorović, D. (1997). Lightness and Junctions. Perception, 26(4), 379–394. https://doi.org/10.1068/p260379</ref>のようにどちらの性質も有する錯視もある。明るさの対比的な錯視としては、チェッカーシャドー錯視(checker shadow illusion)や縞誘導(grating induction)がある。


 色の錯視(color illusion)にも、色の対比と色の同化の二項対立があるが、ムンカー錯視(Munker illusion)のようにどちらの性質も有する錯視がある。無彩色から生成される主観色(subjective color)も古くから研究されている。
 色の錯視(color illusion)にも、色の対比と色の同化の二項対立があるが、ムンカー錯視(Munker illusion)のようにどちらの性質も有する錯視がある。無彩色から生成される主観色(subjective color)も古くから研究されている。
159

回編集