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==== 道具の強迫的使用 ==== | ==== 道具の強迫的使用 ==== | ||
[[道具の強迫的使用]](compulsive manipulation of tools)とは、右手が眼前に置かれた物を意志に反し強迫的に使用してしまう現象である(compulsive manipulation of tools)。左手が患者の意図を反映して右手の動きを静止しようとする。日本の森悦朗らによって1982年に報告された<ref name=山鳥1985 /><ref name=森1982>'''森悦朗, 山鳥重. (1982).'''<br>左前頭葉損傷による病的現象 ―道具の強迫的使用と病的把 握現象の関連について―. 臨床神経学, 22, 329-335. [ | [[道具の強迫的使用]](compulsive manipulation of tools)とは、右手が眼前に置かれた物を意志に反し強迫的に使用してしまう現象である(compulsive manipulation of tools)。左手が患者の意図を反映して右手の動きを静止しようとする。日本の森悦朗らによって1982年に報告された<ref name=山鳥1985 /><ref name=森1982>'''森悦朗, 山鳥重. (1982).'''<br>左前頭葉損傷による病的現象 ―道具の強迫的使用と病的把 握現象の関連について―. 臨床神経学, 22, 329-335. [https://cir.nii.ac.jp/crid/1520290885563948288 [DOI<nowiki>]</nowiki>] </ref><ref name=森1985>'''森悦朗, 山鳥重. (1985).'''<br>前頭葉内側面損傷と道具の強迫的使用. 精神医学, 27, 655-660. [DOI: 10.11477/mf.1405203958]</ref>。患者の前に櫛が置かれた場合,右手は意志に逆らってこれを持って髪をといてしまう。使用しないでいるためには左手が櫛を取り上げるか左手が右手を押さえなければならない。右手には[[把握反射]]・[[本能性把握反応]](触れた物あるいは見た物に対し不随意に接近し握ってしまう反応)が存在する。左手には失行などの離断症状は認められない。まれな現象ではあるが、その多くは左前大脳動脈領域の梗塞による[[前部帯状回]]、[[補足運動野]]を含む左前頭葉内側面と脳梁膝部の病巣であり、左前頭葉内側面の損傷による右手で学習された行為レベルの運動パターンの解放と、脳梁損傷による右脳からの抑制の欠如が自動的な右手の道具使用を引き起こすと考えられる。 | ||
==== 他人の手兆候 ==== | ==== 他人の手兆候 ==== |