「14-3-3タンパク質」の版間の差分

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== 機能 ==
== 機能 ==
=== 共通認識配列 ===
=== 共通認識配列 ===
 14-3-3は、分子全体で形成するU字型構造のリガンド結合部位を介して、タンパク質キナーゼによってリン酸化された様々な標的分子と相互作用する<ref name=Tzivion2002><pubmed>11709560</pubmed></ref>[24]。14-3-3が認識するリン酸化の共通配列として、モード1(RxxpS/TxP)<ref name=Muslin1996><pubmed>8601312</pubmed></ref>[25]、モード2(RxxxpS/TxP)<ref name=Yaffe1997><pubmed>9428519</pubmed></ref>[26],モード3(pS/TxxCOOH)<ref name=Ganguly2005><pubmed>15644438</pubmed></ref>[27]が報告されている(pS/Tはリン酸化セリンまたはリン酸化トレオニン、xは任意のアミノ酸)。共通配列のうち、モード1の配列を含む標的分子が最も多く、その配列中にProが含まれないことも多い。プレ配列と呼ばれるシグナル配列をN末端にもつミトコンドリアタンパク質の前駆体や 緑膿菌ADP-ribosyltransferase Exoenzyme S (ExoS)などは、14-3-3との結合にリン酸化を必要としないが、リン酸化タンパク質の場合と同様にU字型構造のリガンド結合部位を介して相互作用すると考えられている<ref name=Masters1999><pubmed>10213629</pubmed></ref>[28]。
 14-3-3は、分子全体で形成するU字型構造のリガンド結合部位を介して、タンパク質キナーゼによってリン酸化された様々な標的分子と相互作用する<ref name=Tzivion2002><pubmed>11709560</pubmed></ref>[24]。14-3-3が認識するリン酸化の共通配列として、モード1(RxxpS/TxP)<ref name=Muslin1996><pubmed>8601312</pubmed></ref>[25]、モード2(RxxxpS/TxP)<ref name=Yaffe1997><pubmed>9428519</pubmed></ref>[26],モード3(pS/TxxCOOH)<ref name=Ganguly2005><pubmed>15644438</pubmed></ref>[27]が報告されている(pS/Tはリン酸化セリンまたはリン酸化[[トレオニン]]、xは任意の[[アミノ酸]])。共通配列のうち、モード1の配列を含む標的分子が最も多く、その配列中にProが含まれないことも多い。プレ配列と呼ばれるシグナル配列をN末端にもつ[[ミトコンドリア]]タンパク質の前駆体や[[緑膿菌]][[ADP-ribosyltransferase Exoenzyme S]] ([[ExoS]])などは、14-3-3との結合にリン酸化を必要としないが、リン酸化タンパク質の場合と同様にU字型構造のリガンド結合部位を介して相互作用すると考えられている<ref name=Masters1999><pubmed>10213629</pubmed></ref>[28]。


=== 阻害物質と安定化物質 ===
=== 阻害物質と安定化物質 ===