「オキシトシン」の版間の差分

編集の要約なし
編集の要約なし
編集の要約なし
7行目: 7行目:
英:oxytocin
英:oxytocin


{{box|text= オキシトシンは、9個のアミノ酸で構成されるペプチドホルモンであり、視床下部室傍核と視索上核で合成され、下垂体後葉から血中に分泌されて末梢組織にて子宮収縮や射乳に関わるとともに、小細胞ニューロンで合成されたオキシトシンは軸索を介して脳内各所に投射し、母性行動やストレス応答など多様な社会性神経機能に関与する。}}
{{box|text= オキシトシンは、9個のアミノ酸で構成されるペプチドホルモンであり、視床下部室傍核と視索上核で合成され、下垂体後葉から血中に分泌されて末梢組織にて子宮収縮や射乳に関わるとともに、室傍核の小細胞ニューロンで合成されたオキシトシンは軸索を介して脳内各所に投射し、母性行動やストレス応答など多様な社会性神経機能に関与する。}}


== オキシトシンとは ==
== オキシトシンとは ==
21行目: 21行目:
 オキシトシンは主に[[視床下部]]の[[室傍核]]([[paraventricular nuclreus]]; [[PVN]])および[[視索上核]]([[supraoptic nucleus]]; [[SON]])大細胞ニューロンで産生され、[[正中隆起]]を通る[[軸索]]内を[[下垂体]][[後葉]]へと運搬される。オキシトシンと同じ前駆体に存在している[[ニューロフィジン1]]が、オキシトシンの担体タンパク質として細胞内輸送を補助し、この複合体が下垂体後葉に到達した後貯蔵され、神経末端の[[脱分極]]によってニューロフィジンと解離し血中に放出され、標的臓器に到達してその生理作用を発揮する。
 オキシトシンは主に[[視床下部]]の[[室傍核]]([[paraventricular nuclreus]]; [[PVN]])および[[視索上核]]([[supraoptic nucleus]]; [[SON]])大細胞ニューロンで産生され、[[正中隆起]]を通る[[軸索]]内を[[下垂体]][[後葉]]へと運搬される。オキシトシンと同じ前駆体に存在している[[ニューロフィジン1]]が、オキシトシンの担体タンパク質として細胞内輸送を補助し、この複合体が下垂体後葉に到達した後貯蔵され、神経末端の[[脱分極]]によってニューロフィジンと解離し血中に放出され、標的臓器に到達してその生理作用を発揮する。


 また、小細胞ニューロンで産生されたオキシトシンは視床下部の外部に軸索を投射し[[神経伝達物質]]として働くことや、[[樹状突起]]や[[細胞体]]から中枢神経系内に放出され(dendritic release)、局所的な神経修飾作用を有することが知られている<ref name=Pow1989><pubmed>2586758</pubmed></ref>。
 また、室傍核の小細胞ニューロンで産生されたオキシトシンは視床下部の外部に軸索を投射し[[神経伝達物質]]として働くことや、[[樹状突起]]や[[細胞体]]から中枢神経系内に放出され(dendritic release)、局所的な神経修飾作用を有することが知られている<ref name=Pow1989><pubmed>2586758</pubmed></ref>。


== 機能 ==
== 機能 ==