「カルシトニン遺伝子関連ペプチド」の版間の差分

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==組織分布 ==
==組織分布 ==
 CGRPは中枢神経および末梢神経に広く分布している。中枢神経では扁桃体、傍視床下核、青斑核に主に発現するほか、脊髄後角や血管周囲神経、知覚神経にも存在する<ref name=Russo2023><pubmed>36454715</pubmed></ref>11。CGRPの合成は主に三叉神経節細胞および脊髄後根神経節で行われ<ref name=Gibson1984><pubmed>6209366</pubmed></ref>12、無髄C線維の感覚神経中にサブスタンスPと共存することが知られている<ref name=Gibson1984 />12。また、運動神経においてはアセチルコリンの受容体の合成を増加させる栄養因子としての役割が示唆されている<ref name=New1986><pubmed>3490625</pubmed></ref>13。
 中枢神経および末梢神経に広く分布している。脳内におけるCGRPの発現は広範囲に及ぶ。[[大脳皮質]]、[[小脳]]、[[海馬]]、[[視床]]、[[視床下部]]、[[脳幹]]の核においてほとんどすべてのニューロンがCGRPまたはCGRP受容体を発現している<ref name=Warfvinge2019><pubmed>28856910</pubmed></ref>14。特に、[[扁桃体]]、[[傍視床下核]]、[[青斑核]]に高発現を認める。


 脳内におけるCGRPの発現は広範囲に及び、脳幹から大脳皮質にまで広がっている。大脳皮質、小脳、海馬、視床、視床下部、脳幹の核においてほとんどすべてのニューロンがCGRPまたはCGRP受容体を発現している<ref name=Warfvinge2019><pubmed>28856910</pubmed></ref>14。
 生合成は主に[[三叉神経節]]および[[脊髄後根神経節]]で行われ<ref name=Gibson1984><pubmed>6209366</pubmed></ref>12、無髄[[C線維]]の[[感覚神経]]中に[[サブスタンスP]]と共存することが知られている<ref name=Gibson1984 />12。[[脊髄]][[後角]]や血管周囲神経、知覚神経にも存在する<ref name=Russo2023><pubmed>36454715</pubmed></ref>11。また、[[運動神経]]においては[[アセチルコリン受容体]]の合成を増加させる[[栄養因子]]としての役割が示唆されている<ref name=New1986><pubmed>3490625</pubmed></ref>13。
 
 


== 細胞内分布 ==
== 細胞内分布 ==