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=== 発作性夜間ヘモグロビン尿症 === | === 発作性夜間ヘモグロビン尿症 === | ||
指定難病62。[[造血幹細胞]]におけるPIGA遺伝子の体細胞突然変異によってGPI生合成が完全あるいは大きく欠損した細胞が生じ<ref name=Miyata1993><pubmed>7680492</pubmed></ref>、その細胞のクローンが拡大することによって大量の異常血液細胞ができる<ref name=Luzzatto2025><pubmed>40089995</pubmed></ref>。異常赤血球は補体の作用から自己細胞を保護するGPIアンカー型の[[補体]]制御因子([[CD55]]と[[CD59]])を欠損するため活性化した補体によって[[溶血]]が起こる<ref name=Hill2017><pubmed>28516949</pubmed></ref>。また補体依存性の[[血栓症]]が本疾患における主要な死因のひとつとなる<ref name=Hill2013><pubmed>23610373</pubmed></ref>。治療には、補体の[[膜侵襲複合体]]形成を阻害する[[ヒト化抗C5抗体医薬]]([[エクリズマブ]]など)が用いられ、溶血の抑制に有効である<ref name=Hillmen2006><pubmed>16990386</pubmed></ref><ref name=Rother2007><pubmed>17989688</pubmed></ref>。 | 指定難病62。[[造血幹細胞]]におけるPIGA遺伝子の体細胞突然変異によってGPI生合成が完全あるいは大きく欠損した細胞が生じ<ref name=Miyata1993><pubmed>7680492</pubmed></ref>、その細胞のクローンが拡大することによって大量の異常血液細胞ができる<ref name=Luzzatto2025><pubmed>40089995</pubmed></ref>。異常赤血球は補体の作用から自己細胞を保護するGPIアンカー型の[[補体]]制御因子([[CD55]]と[[CD59]])を欠損するため活性化した補体によって[[溶血]]が起こる<ref name=Hill2017><pubmed>28516949</pubmed></ref>。また補体依存性の[[血栓症]]が本疾患における主要な死因のひとつとなる<ref name=Hill2013><pubmed>23610373</pubmed></ref>。治療には、補体の[[膜侵襲複合体]]形成を阻害する[[ヒト化抗C5抗体医薬]]([[エクリズマブ]]など)が用いられ、溶血の抑制に有効である<ref name=Hillmen2006><pubmed>16990386</pubmed></ref><ref name=Rother2007><pubmed>17989688</pubmed></ref>。 | ||
==関連項目== | |||
* [[細胞膜]] | |||
* [[脂質ラフト]] | |||
== 参考文献 == | == 参考文献 == | ||