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CXCL12/SDF-1は、CXCL12遺伝子の選択的スプライシングによって、[[CXCL12a]]/SDF-1αや[[CXCL12b]]/SDF-1βなどのアイソフォームが産生される<ref name=DeLaLuzSierra2004><pubmed>14525775</pubmed></ref> (De La Luz Sierra et al., 2004)。[[ヒト]]では7種類の[[スプライシングバリアント]](α, β, γ, δ, ε, φ, ψ)が同定されているが、主に研究対象とされるのは[[SDF-1α]]および[[SDF-1β]]である<ref name=Yu2006>Yu L, et al. (2006). The role of CXCL12 isoforms in different physiological and pathological conditions. Cell Mol Immunol. 3(3), 193–199.</ref>(Yu et al., 2006 総説)。SDF-1αは89アミノ酸残基(N末端のシグナル配列切断後、68残基;全長型SDF-1α(1–68) | CXCL12/SDF-1は、CXCL12遺伝子の選択的スプライシングによって、[[CXCL12a]]/SDF-1αや[[CXCL12b]]/SDF-1βなどのアイソフォームが産生される<ref name=DeLaLuzSierra2004><pubmed>14525775</pubmed></ref> (De La Luz Sierra et al., 2004)。[[ヒト]]では7種類の[[スプライシングバリアント]](α, β, γ, δ, ε, φ, ψ)が同定されているが、主に研究対象とされるのは[[SDF-1α]]および[[SDF-1β]]である<ref name=Yu2006>Yu L, et al. (2006). The role of CXCL12 isoforms in different physiological and pathological conditions. Cell Mol Immunol. 3(3), 193–199.</ref>(Yu et al., 2006 総説)。SDF-1αは89アミノ酸残基(N末端のシグナル配列切断後、68残基;全長型SDF-1α(1–68)と呼ぶ)から構成される。 | ||
これらのアイソフォームはシグナル配列切断後、全長型分子として分泌される。その後、全長型SDF-1α(1–68)は、ヒト血清にさらされると、まずC末端でプロセッシングを受けてSDF-1α(1-67)となり、次にN末端がプロセッシングされ、SDF-1α(3-67)が生成される。一方、SDF-1β(1-72)は、N末端でのみプロセシングを受け、SDF-1β(3-72)になる。このN末端でのプロセッシングには、CD26(ジペプチジルペプチダーゼ)が関与している。両者のC末端領域の違いは、安定性や受容体(CXCR4/CXCR7)への親和性に影響を与えると考えられている。なお、CXCL12/SDF-1のプロセッシング後のN末端の最初の8残基は、CXCL12/SDF-1がCXCR4/CXCR7受容体活性化に必要な結合部位として機能することが知られている<ref name=Liu2024><pubmed>39093700</pubmed></ref>(Liu et al.、2024)。 | |||
== 発現 == | == 発現 == | ||
=== 組織分布 === | === 組織分布 === | ||