「神経堤」の版間の差分

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==  '''脱上皮化 '''  ==
==  '''脱上皮化 '''  ==


 誘導された神経堤細胞は転写因子であるSlugなどを発現し<ref name="ref24"><pubmed> 11861470 </pubmed></ref>7513443、EMTを行い脱上皮化する。脱上皮化の過程において、細胞骨格の制御を行うRho GTPaseと細胞間接着分子であるCadherinの発現が変化することにより、細胞形態や細胞接着に変化が生じる<ref name="ref23"><pubmed> 11861470 </pubmed></ref>25。特にcadherin-6Bの発現が失われることがEMTに重要とされる<ref name="ref23"><pubmed> 11861470 </pubmed></ref>26。他にも基底膜を破壊する酵素などの発現が重要な役割を果たす。
 誘導された神経堤細胞は転写因子であるSlugなどを発現し<ref name="ref24"><pubmed> 7513443 </pubmed></ref>、EMTを行い脱上皮化する。脱上皮化の過程において、細胞骨格の制御を行うRho GTPaseと細胞間接着分子であるCadherinの発現が変化することにより、細胞形態や細胞接着に変化が生じる<ref name="ref25"><pubmed> 11733768 </pubmed></ref>。特にcadherin-6Bの発現が失われることがEMTに重要とされる<ref name="ref26"><pubmed> 17991460 </pubmed></ref>。他にも基底膜を破壊する酵素などの発現が重要な役割を果たす。


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== &nbsp;'''移動能力&nbsp;'''  ==
== &nbsp;'''移動能力&nbsp;'''  ==


 神経堤細胞の胚内での移動は厳密に制御されており、fibronectinやlamininなどの細胞外基質と、神経堤細胞が発現するintegrinの相互作用が必要とされる<ref name="ref23"><pubmed> 11861470 </pubmed></ref>27。神経堤細胞が移動する経路は、神経細胞やグリア細胞に分化する細胞が通過する「腹側経路」と、メラニン細胞が通過する「背側経路」の二つに大別される。fibronectinやlamininといった細胞外基質は神経堤細胞の移動経路全般に発現しており、経路の選択には神経堤細胞と移動経路の組織に発現する誘引因子・反発因子の相互作用が重要である。代表的なものとして、腹側経路の選択に関わる反発性のEph/Ephrinシグナル<ref name="ref28"><pubmed> 12117812 </pubmed></ref>およびRobo/Slitシグナル<ref name="ref29"><pubmed> 15950606 </pubmed></ref>、背側経路の選択に関わる誘引性のEph/Ephrinシグナル<ref name="ref28" />、EDNRB2/ET3シグナル<ref name="ref30"><pubmed> 15892714  </pubmed></ref>などがある。  
 神経堤細胞の胚内での移動は厳密に制御されており、fibronectinやlamininなどの細胞外基質と、神経堤細胞が発現するintegrinの相互作用が必要とされる<ref name="ref27"><pubmed> 8430321 </pubmed></ref>。神経堤細胞が移動する経路は、神経細胞やグリア細胞に分化する細胞が通過する「腹側経路」と、メラニン細胞が通過する「背側経路」の二つに大別される。fibronectinやlamininといった細胞外基質は神経堤細胞の移動経路全般に発現しており、経路の選択には神経堤細胞と移動経路の組織に発現する誘引因子・反発因子の相互作用が重要である。代表的なものとして、腹側経路の選択に関わる反発性のEph/Ephrinシグナル<ref name="ref28"><pubmed> 12117812 </pubmed></ref>およびRobo/Slitシグナル<ref name="ref29"><pubmed> 15950606 </pubmed></ref>、背側経路の選択に関わる誘引性のEph/Ephrinシグナル<ref name="ref28" />、EDNRB2/ET3シグナル<ref name="ref30"><pubmed> 15892714  </pubmed></ref>などがある。  


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