「アスペルガー症候群」の版間の差分

編集の要約なし
編集の要約なし
編集の要約なし
2行目: 2行目:


同義語:アスペルガー症候群
同義語:アスペルガー症候群
(同義語は全く意味が重なる用語としております。本辞典には別に自閉症障害の項目がございます。以下の用語が同義語に当てはまるか、改めてご指示頂ければと思います)。
関連語: 高機能自閉症、自閉性障害、自閉症、広汎性発達障害、自閉症スペクトラム障害


高機能自閉症;高機能広汎性発達障害;高機能自閉症スペクトラム障害、自閉性障害:自閉症、広汎性発達障害:自閉症スペクトラム障害
 アスペルガー症候群は、Aspergerが1944年に報告した症例を起源とする概念で、DSM-Ⅳではアスペルガー障害とされている。自閉症の主要症状(社会性の障害、コミュニケーションの障害、常同性)のうち、コミュニケーションの障害が軽度のものである。しかし、その概念や定義については議論があり、自閉症スペクトラム障害の中に吸収されていく方向にある。
 
(要約を御願い致します。)


==アスペルガー症候群とは==
==アスペルガー症候群とは==


 アスペルガー症候群は、[[自閉症]]と同様の三つの主症状(社会性の障害、コミュニケーションの障害、想像力の障害およびそれに基づく行動の障害)を持つ、[[神経発達障害]]である。自閉症と比べてコミュニケーションの障害が軽微であるグループであるとされ、[[言語]]発達の遅れは少なく、知的には正常な者が多い。自閉症と同様の生来の社会性の障害をもつが、積極的に他者と関わろうとする傾向を持つ者が多い。また、興味の著しい偏りやファンタジーへの没頭があり、時には儀式行為をもつ。不器用な者が多いことも特徴であるとされている<ref name=ref1><pubmed>18563474</pubmed></ref>。知的な遅れのない自閉症スペクトラム障害(Autism Spectrum Disorder; ASD)の者を記述する用語として臨床上は有用な概念であるが、長年にわたる[[wikipedia:JA:疾病分類|疾病分類]](nosology)の問題があり、臨床上あるいは一般社会での高い認知度と、研究領域における存在感の乏しさに解離が大きい疾患概念である。
 アスペルガー症候群は、[[自閉症]]と同様の三つの主症状(社会性の障害、コミュニケーションの障害、想像力の障害およびそれに基づく行動の障害)を持つ、[[神経発達障害]]である。自閉症と比べてコミュニケーションの障害が軽微であるグループであるとされ、[[言語]]発達の遅れは少なく、知的には正常な者が多い。自閉症と同様の生来の社会性の障害をもつが、積極的に他者と関わろうとする傾向を持つ者が多い。また、興味の著しい偏りやファンタジーへの没頭があり、時には儀式行為をもつ。不器用な者が多いことも特徴であるとされている<ref name=ref1><pubmed>18563474</pubmed></ref>。知的な遅れのない自閉症スペクトラム障害(Autism Spectrum Disorder; ASD)の者を記述する用語として臨床上は有用な概念であるが、長年にわたる[[wikipedia:JA:疾病分類|疾病分類]](nosology)の問題があり、臨床上あるいは一般社会での高い認知度と、研究領域における存在感の乏しさに乖離が大きい疾患概念である。


== 疾病分類の歴史 ==
== 疾病分類の歴史 ==
33行目: 31行目:




(執筆者:桑原斉  担当編集委員:加藤忠文)
(執筆者:桑原斉  担当編集委員:加藤忠史)