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Yoshiowakamatsu (トーク | 投稿記録) 細編集の要約なし |
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Numbの機能としてよく知られているのは、Notchシグナルの抑制である。Notchが活性化されて細胞内領域(intracellular domain, ICD)が切り出され、核内に移行して転写制御に関わるのだが([[ノッチ]]の項参照)、NumbはNotch ICDに結合するとともに、HECT-domain [[wikipedia:ubiquitin_ligase|E3 ubiquitin ligase]]であるItch(ショウジョウバエのSuppressor of Deltex)に結合することで、Notch ICDの[[wikipedia:ja:ユビキチン|ポリユビキチン化]]とそれに続く分解を促進している。また、Numbは後述するように[[wikipedia:ja:エンドサイトーシス|エンドサイトーシス]]に関連した機能をもっており、エンドサイトーシスによって細胞膜上のNotchタンパク質の量を調節している可能性も指摘されている。 | Numbの機能としてよく知られているのは、Notchシグナルの抑制である。Notchが活性化されて細胞内領域(intracellular domain, ICD)が切り出され、核内に移行して転写制御に関わるのだが([[ノッチ]]の項参照)、NumbはNotch ICDに結合するとともに、HECT-domain [[wikipedia:ubiquitin_ligase|E3 ubiquitin ligase]]であるItch(ショウジョウバエのSuppressor of Deltex)に結合することで、Notch ICDの[[wikipedia:ja:ユビキチン|ポリユビキチン化]]とそれに続く分解を促進している。また、Numbは後述するように[[wikipedia:ja:エンドサイトーシス|エンドサイトーシス]]に関連した機能をもっており、エンドサイトーシスによって細胞膜上のNotchタンパク質の量を調節している可能性も指摘されている。 | ||
(2)エンドサイトーシスによる細胞間、細胞—基質接着の制御 | (2)エンドサイトーシスによる細胞間、細胞—基質接着の制御 | ||
dNumbやNumblも含め、Numbタンパク質はカルボキシ末端のDPFとNPFモチーフを持っており、これを介して[[wikipedia:ja:クラスリン|Clathrin]]アダプタータンパク質である[[wikipedia:adaptin|α-adaptin]]やEpsin 15 homology domainファミリータンパク質と結合し、エンドサイトーシスの制御に関わっている。NumbはRab11陽性の[[wikipedia:ja:エンドソーム|エンドソーム]]に分布し、[[wikipedia:ja:カドヘリン|カドヘリン]]/[[wikipedia:catenin|カテニン]]複合体(cadherin/catenin | dNumbやNumblも含め、Numbタンパク質はカルボキシ末端のDPFとNPFモチーフを持っており、これを介して[[wikipedia:ja:クラスリン|Clathrin]]アダプタータンパク質である[[wikipedia:adaptin|α-adaptin]]やEpsin 15 homology domainファミリータンパク質と結合し、エンドサイトーシスの制御に関わっている。NumbはRab11陽性の[[wikipedia:ja:エンドソーム|エンドソーム]]に分布し、[[wikipedia:ja:カドヘリン|カドヘリン]]/[[wikipedia:catenin|カテニン]]複合体(cadherin/catenin complex)の継続的な取り込みとリサイクルによる接着結合([[wikipedia:adherens_junction|adherens junction]]、[[細胞接着]]の項を参照)の維持に働いている。また、移動中の細胞のリーディングエッジではβ-[[wikipedia:integrin|integrin]]([[wikipedia:ja:細胞外マトリックス|細胞外基質]]の受容体)に結合し、clathrinを含む構造(おそらくはエンドソーム)への取り込みに関わっていると思われる。atypical [[wikipedia:protein_kinase_C|protein kinase C]](aPKC)によるリン酸化によってNumbタンパク質とβ-integrinの結合が外れることから、aPKCがNumbの偏った細胞内局在とそれに続く方向性を持つ細胞移動を制御していると考えられる。 | ||
(3)その他 | (3)その他 | ||
mNumbやNumblが膜結合型β-[[wikipedia:amyloid_precursor_protein|amyloid precursor protein]](APP、[[アミロイドタンパク質]]の項を参照)やAPPの細胞内領域に結合し、APPの輸送とプロセシングを制御するという報告がある。また、[[wikipedia:Hedgehog_signaling_pathway|Hedgehogシグナル]]のターゲットである転写因子Gli1と結合してItchをリクルートすることで、Gli1の[[wikipedia:ja:プロテアソーム|プロテアソーム]]依存性の分解を促進することが報告された。さらに、ヒトにおいてmNumbがE3 ubiquitin ligaseの一種であるHDM3に結合して不活性化し、[[wikipedia:tumor_suppressor_gene|ガン抑制タンパク質]]である[[wikipedia:ja:p53遺伝子|p53]]のHDM3によるユビキチン化とそれに続く分解を抑制するという報告もある。これらの報告から、Numbの多様な機能が明らかになりつつある。 | |||
== 神経発生における機能と活性== | == 神経発生における機能と活性== |
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