「双極性障害」の版間の差分

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 双極性障害の原因は完全には解明されていない。
 双極性障害の原因は完全には解明されていない。


 遺伝学的研究では、[[wikipedia:JA:一卵性双生児|一卵性双生児]]における一致率が[[wikipedia:JA:二卵性双生児|二卵性双生児]]よりも高いことから、遺伝要因が関与すると考えられている。ゲノムワイド関連研究では、[[wikipedia:CACNA1C|L型電位依存性カルシウムチャネルCa<sub>v</sub>1.2]]、[[wikipedia:ODZ4|odz, odd Oz/ten-m homolog 4]] (ODZ4)などとの弱い関連が示唆されている<ref name=ref4><pubmed>21926972</pubmed></ref>。また、まれな遺伝性疾患で気分障害を伴うものとして、[[ウォルフラム病]]、[[ダリエ病]]、[[慢性進行性外眼筋麻痺]]などがあり、これらも疾患解明の手がかりになる可能性があるとして研究されている。
 遺伝学的研究では、[[wikipedia:JA:一卵性双生児|一卵性双生児]]における一致率が[[wikipedia:JA:二卵性双生児|二卵性双生児]]よりも高いことから、遺伝要因が関与すると考えられている。ゲノムワイド関連研究では、[[電位依存性カルシウムチャネル|L型電位依存性カルシウムチャネルCa<sub>v</sub>1.2]]、[[wikipedia:ODZ4|odz, odd Oz/ten-m homolog 4]] (ODZ4)などとの弱い関連が示唆されている<ref name=ref4><pubmed>21926972</pubmed></ref>。また、まれな遺伝性疾患で気分障害を伴うものとして、[[ウォルフラム病]]、[[ダリエ病]]、[[慢性進行性外眼筋麻痺]]などがあり、これらも疾患解明の手がかりになる可能性があるとして研究されている。


 脳画像研究では、[[脳室]]拡大、[[MRI]]([[T2強調画像]])における白質高信号領域の増加、[[前部帯状回]]および[[島皮質]]の[[灰白質]]体積減少<ref name=ref5><pubmed>21835091</pubmed></ref>が報告されている。機能的脳画像法では、さまざまな課題が用いられ、双極性障害が躁状態、うつ状態、寛解期とさまざまな臨床状態を呈することも相まって、膨大な知見が報告されているが、大まかに要約すると、[[前頭葉背外側部]]等の認知処理に関わる脳部位の認知課題に対する反応性については低下を示す研究が多く、[[扁桃体]]等の情動に関わる脳部位の表情課題等の情動課題に対する反応性は亢進を示す報告が多い<ref name=ref2>'''加藤忠史'''<br>双極性障害 第2版―病態の理解から治療戦略まで 2011年、医学書院</ref>。
 脳画像研究では、[[脳室]]拡大、[[MRI]]([[T2強調画像]])における白質高信号領域の増加、[[前部帯状回]]および[[島皮質]]の[[灰白質]]体積減少<ref name=ref5><pubmed>21835091</pubmed></ref>が報告されている。機能的脳画像法では、さまざまな課題が用いられ、双極性障害が躁状態、うつ状態、寛解期とさまざまな臨床状態を呈することも相まって、膨大な知見が報告されているが、大まかに要約すると、[[前頭葉背外側部]]等の認知処理に関わる脳部位の認知課題に対する反応性については低下を示す研究が多く、[[扁桃体]]等の情動に関わる脳部位の表情課題等の情動課題に対する反応性は亢進を示す報告が多い<ref name=ref2>'''加藤忠史'''<br>双極性障害 第2版―病態の理解から治療戦略まで 2011年、医学書院</ref>。