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上皮成長因子 | 上皮成長因子 | ||
英語名:epidermal growth | 英語名:epidermal growth factor 英語略称名:EGF | ||
[[wikipedia:epidermal_growth_factor|EGF]]は、1962年にCohenによってマウス新生仔に注射すると早く目が開き切歯が生えてくる唾液腺抽出物に含まれる活性として報告された<ref><pubmed> 13880319 </pubmed></ref>。その後、胃酸の分泌を抑制する小腸粘膜由来の物質としてurogastroneという名前で分子として同定された<ref><pubmed> 1161035 </pubmed></ref>。53アミノ酸からなるポリペプチドで、1217アミノ酸という大きなグリコシル化された膜貫通型前駆体タンパク質から切り出されて分泌される。この前駆体自身も後述のEGF受容体に結合することができ、細胞間の接触によってもシグナルの活性化をおこなうことが可能である。 | |||
==シグナル伝達 == | ==シグナル伝達 == | ||
EGFは [[wikipedia:TGF_alpha|transforming growth factor(TGF)α]]transforming growth factor(TGF)α、[[wikipedia:amphiregulin|amphiregulin]]、[[wikipedia:heparin-binding_EGF-like_growth_factor|heparin-binding EGF-like growth factor]](HB-EGF)、[[wikipedia:betacellulin|betacellulin]]、neu differentiation factorとともにEGFファミリーを形成している。EGFの主要な受容体は、[[受容体チロシンキナーゼ]][[wikipedia:ja:上皮成長因子受容体|上皮成長因子受容体]](EGF receptor、EGFR、HER1、erbB-1とも呼ばれる)である<ref name=ref3><pubmed> 15110798 </pubmed></ref>。EGF以外にもTGFα、amphiregulin、HB-EGF、betacellulinがEGFRに結合/活性化する。他の受容体型チロシンキナーゼと同様に、活性化されたEGFRは自らのチロシン残基をリン酸化し、これがさまざまな[[wikipedia:ja:SH2_ドメイン|src homology 2(SH2)ドメイン]]を持つタンパク質の結合部位となる。活性化されたEGFRに直接結合するタンパク質として、[[wikipedia:phospholipase C|phospholipase Cγ]]、Ras-GAP、[[wikipedia:Grb2|Grb2]]、[[wikipedia:Nck1|Nck]]、Shc、SHP-2が挙げられる。phospholipase Cγは[[wikipedia:ja:ホスファチジルイノシトール-4,5-二リン酸|ホスファチジルイノシトール-4,5-二リン酸]]([[wikipedia:phosphatidylinositol-4,_5-biphosphate|phosphatidylinositol-4, 5-biphosphate]])を分解して[[wikipedia:diglyceride|diacylglycerol]]と[[wikipedia:inositol_triphosophate|inositol 1, 4, 5-triphosophate]](IP-3)を作る。diacylglycerolはprotein kinase Cを活性化し、IP-3は細胞内のカルシウムイオン濃度を上昇させることでシグナル伝達をおこなう。Grb2は[[wikipedia:Ras subfamily|Ras]]を介して[[wikipedia:MAPK/ERK_pathway|MAP kinase経路]]を活性化させる。EGFはこれらの主要なシグナル伝達経路以外にも、[[wikipedia:PI3K/AKT/mTOR_pathway|PI3-kinase経路]]や[[wikipedia:JAK/STAT_signaling_pathway|Jak/stat経路]]を活性化することが知られている。 | |||
== 神経系における活性 == | == 神経系における活性 == |
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