「脚橋被蓋核」の版間の差分

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岡田らが行った視覚誘導性サッケード課題中のサルのニューロン活動解析<ref name=ref27><pubmed> 12163524 , name=ref47><pubmed> 17344541 </pubmed></ref>によって、以下の2種類のニューロン活動が見つかった。1) 課題の達成度、あるいはサルの報酬期待度によって大きさが変わる、注視刺激呈示から始まり、報酬時まで続く持続的応答、2) 報酬期待の度合いに無関係で一時的な報酬に対する直接の応答、が観察された。ところで、PPNはどこから動機付け、報酬予測に関連した信号を受け取っているのだろうか。 第一に興奮性信号は腹側線条体-腹側淡蒼球経路の二重抑制でやってくると思われる。この経路ではPPNの興奮は二重抑制によって生じると思われる。第二に興奮性信号源が扁桃体や視床下核<ref name=ref34><pubmed> 1281170 </pubmed></ref>である可能性が考えられる。また、第三に興奮性信号源が大脳皮質であるという可能性が考えられる。最近松村はパーキンソン氏病との関連からPPNに対する大脳皮質由来(特に運動野)の入力に着目している<ref name=ref35><pubmed> 16222438 </pubmed></ref>。また、PPNは帯状回や前頭葉から報酬予測信号を受け取っていると思われる。
岡田らが行った視覚誘導性サッケード課題中のサルのニューロン活動解析<ref name=ref27><pubmed> 12163524 , name=ref47><pubmed> 17344541 </pubmed></ref>によって、以下の2種類のニューロン活動が見つかった。1) 課題の達成度、あるいはサルの報酬期待度によって大きさが変わる、注視刺激呈示から始まり、報酬時まで続く持続的応答、2) 報酬期待の度合いに無関係で一時的な報酬に対する直接の応答、が観察された。ところで、PPNはどこから動機付け、報酬予測に関連した信号を受け取っているのだろうか。 第一に興奮性信号は腹側線条体-腹側淡蒼球経路の二重抑制でやってくると思われる。この経路ではPPNの興奮は二重抑制によって生じると思われる。第二に興奮性信号源が扁桃体や視床下核<ref name=ref34><pubmed> 1281170 </pubmed></ref>である可能性が考えられる。また、第三に興奮性信号源が大脳皮質であるという可能性が考えられる。最近松村はパーキンソン氏病との関連からPPNに対する大脳皮質由来(特に運動野)の入力に着目している<ref name=ref35><pubmed> 16222438 </pubmed></ref>。また、PPNは帯状回や前頭葉から報酬予測信号を受け取っていると思われる。
または岡田らはPPNで報酬予測には無関係で、与えられた報酬に関係したニューロン活動を記録した。この実報酬信号は視床下部外側野からやってくると思われる<ref name=ref48><pubmed> 3512788 </pubmed></ref>。この経路は単シナプス性にPPTNを興奮させ<ref name=ref34><pubmed> 1281170 </pubmed></ref>、一過性のバーストを生じさせる<ref name=ref45><pubmed> 9746146 </pubmed></ref>。このPPNでの一過性バーストが ドーパミンニューロンの「予期せぬ報酬に対する一時的な興奮性応答」を引き起こしているのかもしれない。今後これらのニューロン活動が強化学習に必要な実報酬信号のどの要素(報酬量の正確な計測、報酬予測との関連性)を表現しているのか明らかになると思われる。
または岡田らはPPNで報酬予測には無関係で、与えられた報酬に関係したニューロン活動を記録した。この実報酬信号は視床下部外側野からやってくると思われる<ref name=ref48><pubmed> 3512788 </pubmed></ref>。この経路は単シナプス性にPPTNを興奮させ<ref name=ref34><pubmed> 1281170 </pubmed></ref>、一過性のバーストを生じさせる<ref name=ref45><pubmed> 9746146 </pubmed></ref>。このPPNでの一過性バーストが ドーパミンニューロンの「予期せぬ報酬に対する一時的な興奮性応答」を引き起こしているのかもしれない。今後これらのニューロン活動が強化学習に必要な実報酬信号のどの要素(報酬量の正確な計測、報酬予測との関連性)を表現しているのか明らかになると思われる。
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