「Shank」の版間の差分

13 バイト追加 、 2012年5月27日 (日)
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<br>Shank分子内、あるいはShank分子間の相互作用としては、アンキリンリピートとSH3ドメインが相互作用する <ref><pubmed>15496675</pubmed></ref>ほか、PDZドメインはホモ二量体を<ref name="ref2"><pubmed>12954649</pubmed></ref>、SAMドメインは多量体を<ref name="ref3"><pubmed>16439662</pubmed></ref> 形成する.このPDZドメインによるホモ二量体形成には、PDZドメイン本来の蛋白質結合部位は関与しないので、二量体を形成しても、他のPDZリガンドは結合できる(図2).一方、結晶化されたSAMドメインは一周6分子の螺旋状ポリマーを形成しており(図3)、更にこの螺旋が側面で会合して、Zn2+イオンに依存性の二次元の広がりをもつシートを形成する.<br> 但し、SAMドメインの大きさはShank全長の3%にしか相当しないので、上流の長い配列も含めて大きなポリマーを形成できるかどうかは不明である.  
<br>Shank分子内、あるいはShank分子間の相互作用としては、アンキリンリピートとSH3ドメインが相互作用する <ref><pubmed>15496675</pubmed></ref>ほか、PDZドメインはホモ二量体を<ref name="ref2"><pubmed>12954649</pubmed></ref>、SAMドメインは多量体を<ref name="ref3"><pubmed>16439662</pubmed></ref> 形成する.このPDZドメインによるホモ二量体形成には、PDZドメイン本来の蛋白質結合部位は関与しないので、二量体を形成しても、他のPDZリガンドは結合できる(図2).一方、結晶化されたSAMドメインは一周6分子の螺旋状ポリマーを形成しており(図3)、更にこの螺旋が側面で会合して、Zn2+イオンに依存性の二次元の広がりをもつシートを形成する.<br> 但し、SAMドメインの大きさはShank全長の3%にしか相当しないので、上流の長い配列も含めて大きなポリマーを形成できるかどうかは不明である.  


[[Image:1Q3P.jpg|frame|right|250px|図2 Shank PDZ ドメインによるダイマー形成とGKAPとの相互作用 <span class=]]" class="fck_mw_frame fck_mw_right" /&gt;  
[[Image:1Q3P.jpg|frame|right|250px|図2 Shank PDZ ドメインによるダイマー形成とGKAPとの相互作用 &lt;span class=]]" class="fck_mw_frame fck_mw_right" /&gt;  


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[[Image:Shank-SAM 2F44.png|frame|right|250px|図3 Shank SAMドメインの結晶構造 <span class=]]" class="fck_mw_frame fck_mw_right" /&gt;  
[[Image:Shank-SAM 2F44.png|frame|right|250px|図3 Shank SAMドメインの結晶構造 &lt;span class=]]" class="fck_mw_frame fck_mw_right" /&gt;  


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ProSAPiP1&nbsp;<ref><pubmed>16522626</pubmed></ref>  
ProSAPiP1&nbsp;<ref><pubmed>16522626</pubmed></ref>  


[[Image:3L4F.jpg|frame|right|250px|図4 Shank PDZ ドメインとbetaPIXとの相互作用 <span class=]]&lt;pubmed&gt;20117114&lt;/pubmed&gt;" class="fck_mw_frame fck_mw_right" /&gt;   
[[Image:3L4F.jpg|frame|right|250px|図4 Shank PDZ ドメインとbetaPIXとの相互作用 &lt;span class=]]&lt;pubmed&gt;20117114&lt;/pubmed&gt;" class="fck_mw_frame fck_mw_right" /&gt;   


=== [[アクチン]]結合蛋白質  ===
=== [[アクチン]]結合蛋白質  ===
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[[自閉症]]との関連については、Shank3の変異が最初に報告されたが、<ref><pubmed>17173049</pubmed></ref>、その後、Shank2 <ref><pubmed>20531469</pubmed></ref>, Shank1 <ref><pubmed>22503632</pubmed></ref>についても報告されている。Phelan–McDermid 症候群は染色体22q13部位の欠失によるもので、Shank3 の異常が原因の一つと考えられている.また、Shank3のノックアウトマウスは社会的相互作用の欠如や過剰な毛繕いなど自閉症様の表現型を呈する<ref><pubmed>21423165</pubmed></ref>。さらに、自閉症患者にみられるShank3のC末の欠失変異体は、優性にShank3のプロテアーゼ分解を促進して、シナプスの形成を阻害する<ref><pubmed>21565394</pubmed></ref>。&nbsp;  
[[自閉症]]との関連については、Shank3の変異が最初に報告されたが、<ref><pubmed>17173049</pubmed></ref>、その後、Shank2 <ref><pubmed>20531469</pubmed></ref>, Shank1 <ref><pubmed>22503632</pubmed></ref>についても報告されている。Phelan–McDermid 症候群は染色体22q13部位の欠失によるもので、Shank3 の異常が原因の一つと考えられている.また、Shank3のノックアウトマウスは社会的相互作用の欠如や過剰な毛繕いなど自閉症様の表現型を呈する<ref><pubmed>21423165</pubmed></ref>。さらに、自閉症患者にみられるShank3のC末の欠失変異体は、優性にShank3のプロテアーゼ分解を促進して、シナプスの形成を阻害する<ref><pubmed>21565394</pubmed></ref>。&nbsp;  


==関連項目==
== 関連項目 ==
シナプス後肥厚  
 
自閉症障害
シナプス後肥厚
 
自閉症障害  


参考文献 <references />  
参考文献 <references />  


(執筆者:林 真理子、担当編集委員:柚崎 通介)
(執筆者:林 真理子、担当編集委員:柚崎 通介)
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