「Αシヌクレイン」の版間の差分

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=== 翻訳後修飾 ===
=== 翻訳後修飾 ===
 αシヌクレインの翻訳後修飾として、[[リン酸化]]、[[ユビキチン化]]、[[SUMO (Small ubiquitin-like modifier)化]]、[[ニトロ化]]、[[O-GlcNAcylation化]]、[[アセチル化]]などがあり<ref name=Zhang2019><pubmed>31057362</pubmed></ref> 。これらの修飾はαシヌクレインの凝集性を変化させたり、生体膜への結合性に影響を与える。
 αシヌクレインの翻訳後修飾として、[[リン酸化]]、[[ユビキチン化]]、[[SUMO (Small ubiquitin-like modifier)化]]、[[ニトロ化]]、[[O-GlcNAcylation化]]、[[アセチル化]]などがある<ref name=Zhang2019><pubmed>31057362</pubmed></ref> 。これらの修飾はαシヌクレインの凝集性を変化させたり、生体膜への結合性に影響を与える。


 正常脳においてαシヌクレインの殆どはリン酸化を受けないが、パーキンソン病患者のLewy小体に含まれる異常凝集したαシヌクレインは90%以上が129番目のSerがリン酸化されており、病的意義があると推定されている<ref name=Saito2003><pubmed>12834109</pubmed></ref><ref name=Okochi2000><pubmed>10617630</pubmed></ref><ref name=Fujiwara2002><pubmed>11813001</pubmed></ref> 。S129リン酸化を触媒する[[キナーゼ]]としては、[[カゼインキナーゼII]] ([[CKII]])、[[G共役型受容体キナーゼ]]([[GRKs]])、[[ポロ様キナーゼ]] ([[polo-like kinases]], [[PLKs]]) などが知られている<ref name=Arawaka2006><pubmed>16957079</pubmed></ref><ref name=Inglis2009><pubmed>19004816</pubmed></ref><ref name=Ishii2007><pubmed>17868672</pubmed></ref> 。
 正常脳においてαシヌクレインの殆どはリン酸化を受けないが、パーキンソン病患者のLewy小体に含まれる異常凝集したαシヌクレインは90%以上が129番目のSerがリン酸化されており、病的意義があると推定されている<ref name=Saito2003><pubmed>12834109</pubmed></ref><ref name=Okochi2000><pubmed>10617630</pubmed></ref><ref name=Fujiwara2002><pubmed>11813001</pubmed></ref> 。S129リン酸化を触媒する[[キナーゼ]]としては、[[カゼインキナーゼII]] ([[CKII]])、[[G共役型受容体キナーゼ]]([[GRKs]])、[[ポロ様キナーゼ]] ([[polo-like kinases]], [[PLKs]]) などが知られている<ref name=Arawaka2006><pubmed>16957079</pubmed></ref><ref name=Inglis2009><pubmed>19004816</pubmed></ref><ref name=Ishii2007><pubmed>17868672</pubmed></ref> 。
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 Lewy小体中には完全長のαシヌクレインに加え複数の切断型が確認される。C末端でのαシヌクレイン切断に関与する酵素として20S[[プロテアソーム]]、[[カルパインI]]、[[アスパラギンエンドペプチダーゼ]] (AEP)、[[カスパーゼI]]、[[ニューロシン]]、[[プラスミン]]、[[カテプシンB]]/[[カテプシンD|D]]/[[カテプシンL|L]]、および[[マトリックスメタロプロテアーゼ1]]/[[マトリックスメタロプロテアーゼ3|3]] ([[MMP1]]/[[MMP3|3]]) などが報告されている<ref name=Sung2005><pubmed>15863497</pubmed></ref><ref name=Sevlever2008><pubmed>18702517</pubmed></ref><ref name=Zhang2017><pubmed>28671665</pubmed></ref><ref name=Dufty2007><pubmed>17456777</pubmed></ref><ref name=Wang2016b><pubmed>27482083</pubmed></ref><ref name=Kasai2008><pubmed>18358605</pubmed></ref><ref name=Sorrentino2020><pubmed>32424039</pubmed></ref> 。
 Lewy小体中には完全長のαシヌクレインに加え複数の切断型が確認される。C末端でのαシヌクレイン切断に関与する酵素として20S[[プロテアソーム]]、[[カルパインI]]、[[アスパラギンエンドペプチダーゼ]] (AEP)、[[カスパーゼI]]、[[ニューロシン]]、[[プラスミン]]、[[カテプシンB]]/[[カテプシンD|D]]/[[カテプシンL|L]]、および[[マトリックスメタロプロテアーゼ1]]/[[マトリックスメタロプロテアーゼ3|3]] ([[MMP1]]/[[MMP3|3]]) などが報告されている<ref name=Sung2005><pubmed>15863497</pubmed></ref><ref name=Sevlever2008><pubmed>18702517</pubmed></ref><ref name=Zhang2017><pubmed>28671665</pubmed></ref><ref name=Dufty2007><pubmed>17456777</pubmed></ref><ref name=Wang2016b><pubmed>27482083</pubmed></ref><ref name=Kasai2008><pubmed>18358605</pubmed></ref><ref name=Sorrentino2020><pubmed>32424039</pubmed></ref> 。
[[ファイル:Hasegawa alpha synuclein Fig2.png|サムネイル|'''図2. シヌクレインファミリーの分子系統樹'''<br>
[[ファイル:Hasegawa alpha synuclein Fig2.png|サムネイル|'''図2. シヌクレインファミリーの分子系統樹'''<br>
各枝の数字はブートストラップ値を示す。スケールバーはサイト毎のアミノ酸置換を示す。(文献41から一部改変し引用)]]
各枝の数字はブートストラップ値を示す。スケールバーはサイト毎のアミノ酸置換を示す。文献<ref name=Siddiqui2016><pubmed>27080380</pubmed></ref>から一部改変し引用。[https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/ クリエイティブ・コモンズ・ライセンス](CC BY 4.0)。]]
[[ファイル:Hasegawa alpha synuclein Fig3.png|サムネイル|'''図3. ヒトシヌクレインファミリーの一次構造比較'''<br>
[[ファイル:Hasegawa alpha synuclein Fig3.png|サムネイル|'''図3. ヒトシヌクレインファミリーの一次構造比較'''<br>
αシヌクレインを基準に、N末端、NAC領域およびC末端領域のアミノ酸相同性を示した。]]
αシヌクレインを基準に、N末端、NAC領域およびC末端領域のアミノ酸相同性を示した。]]